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東京五輪 25万人がやってくる!トイレは足りる?

[ 2013年11月18日 05:30 ]

 8キロ圏内に競技会場が集中する2020年東京五輪では観光スポットも含めてトイレ不足が心配され、仮設や増設は課題の一つとなっている。トイレ習慣は国によって大きく異なり、不安を募らせる関係者は少なくない。一方で、日本式の温水洗浄便座に驚く外国人観光客は、いまだに多く、トイレメーカーは「最大のビジネスチャンス」と鼻息を荒くしている。

 日本を初めて訪れた外国人の多くの感想は「トイレがキレイ」「便器がお尻を洗ってくれて驚いた」。7年後の五輪期間中は都内に約25万人が集まるとみられ、トイレがごった返すことがまず予想されるのは空の玄関だ。

 拡張工事中の羽田空港国際線ターミナルは現在、男女それぞれ37カ所にある。成田空港は第1ターミナルに計150カ所、第2ターミナルに計141カ所と充実。両空港とも東京五輪を見据えた増設計画はなく、成田空港は「客の増加が見込まれ、必要があれば(増設を)検討していく」としている。

 大便器は羽田空港国際線ターミナルの男子トイレに計133個、女子トイレに計192個ある。ターミナル内に出店する飲食店の男性従業員は「今でも繁忙期は列ができる。7年後は大丈夫だろうか」と不安視する。

 使ったトイレットペーパーを流さない風習の国・地域もあることから、別の男性従業員は「使用済みのトイレットペーパーが個室内に捨ててあるのを数回見た。五輪で各国から外国人が来たら、そういうケースが増えるかもしれない」と指摘。トイレの個室内にゴミ箱を置くなどの対応も必要になりそうだ。

 観光スポットのトイレ数はどうか。東京スカイツリー(墨田区)内は15カ所、東京ソラマチ内は29カ所。各所とも車椅子でも入れる多目的トイレを設置しており、大便器の数も多い。

 これに対して、不安なのは浅草寺(台東区)。広い敷地のわりに男女2カ所ずつと少ない。雷門から浅草寺本堂へ通じる約250メートルの仲見世通りは、1~2人用のトイレが計4カ所だけ。管理する台東区土木課は「敷地の確保が難しいなどの理由で(東京五輪までに)増設はできないと思われる」と実情を明かす。

 また、マラソンなどの人気種目が行われる際も沿道などの公衆トイレが一時的に大混雑する可能性も考えられる。東京都スポーツ振興局の大会準備部は「マラソンであれば、スタートとゴール地点に仮設を置いて対応することになるのではないか」と、仮設トイレでしのぐ可能性を指摘した。

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2013年11月18日のニュース