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東京五輪「おもてなし」始動!案内標識を“改善”へ

[ 2013年9月12日 06:00 ]

 国土交通省は11日、全国の観光地にある道路案内標識の英語表記を、外国人旅行者にも分かりやすいよう改善すると発表した。「公園」は「Koen」とローマ字表記していたものを「Park」に変更。2020年の東京五輪に向け、競技場周辺だけでなく、全国各地を“おもてなし”の場とする方針。一方、安倍晋三首相は五輪担当相の新設を決定。五輪成功への“国家プロジェクト”が動きだした。

 都内や全国各地の観光地ではこれまで、道路案内標識の英語表記が、「公園」→「Koen」となるなど、日本語の読み方をそのままローマ字で表記するケースが多かった。国交省は、東京五輪や、その前後に東京や各地を訪れる外国人には意味が通じにくいと判断。統一基準として、公園は「Park」。通りは「Ave.」や「St.」、川は「Riv.」、駅は「Sta.」と、いずれも英語の略語になる。美術館は「Art Museum」などと表記するとした。

 例えば、銀座地区から選手村へのメーン通りで、多くの外国人観光客があふれると予想される「晴海通り」は、これまでの「Harumi―dori」から「Harumi Ave.」に。国交省と東京都は既に、千代田区の国会を「Kokkai」から「The National Diet」に改めるなど、一部で作業を始めている。

 英語表記への変更は、外国人客誘致の重点地域として、観光庁が全国で選んだ戦略拠点18と地方拠点31の計49地域で実施する。戦略拠点は札幌、浦安、秋葉原、横浜、富士河口湖、京都、広島など。地方拠点は富良野、平泉、鎌倉、金沢、伊勢志摩、長崎など。

 また安倍首相はこの日、東京都の猪瀬直樹知事と官邸で会談し、五輪観戦で訪れる外国人観光客向けに都内のレストランやコンビニなどで多言語表示の拡大に取り組む考えで一致した。猪瀬氏が政府や都、各業界団体による協議会を設置して表示の変更を進める計画を提案し、首相が「非常にいい。“世界の東京”になっていく大きなきっかけになる」と応じた。

 都内では今後、国立競技場の大改修、臨海地区の再開発と大プロジェクトが進む。各案内標識の変更は全国各地に広がり、2020年に向けて日本全体が“おもてなし”の空間に変化していく。

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2013年9月12日のニュース