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村田 被災地で清水と公開スパー熱望「メダリストの役目」

[ 2012年9月15日 06:00 ]

被災地でのメダリスト・スパーリングに意欲を見せた村田

 黄金の拳で勇気を届ける。ロンドン五輪ボクシング男子ミドル級の金メダリスト・村田諒太(26=東洋大職)が14日、都内で行われた日本財団による日本オリンピック委員会(JOC)への寄付金贈呈式に出席。JOCが受け取った約5800万円の寄付金は東日本大震災の被災地へのスポーツ用具寄贈にも使われるため、村田も被災地支援を熱望。五輪バンタム級銅メダリスト・清水聡(26=自衛隊)とのメダリスト・スパーリングに意欲を示した。

 世界の頂に立った今だからこそ、伝えられるメッセージがある。一番輝くメダルを手に入れた今だからこそ、責任感を強く感じている。現役引退を視野に入れている村田は、自身の去就を明言しなかった代わりに、被災地支援への熱い思いを口にした。昨年3月11日に発生した東日本大震災。これまで被災地に足を運んだことがない26歳は「被災地を勇気づけるのは金メダリストの役目。行きたいと思っている」と現地訪問を熱望した。

 この日は日本財団によるJOCへの寄付金贈呈式に出席。5839万8855円に上った寄付金は、味の素トレセンのトレーニング機材の充実など選手強化のためだけではなく、被災地支援の目的もある。JOCは既に寄付金を使ってロンドン五輪に被災地のジュニアアスリートを招待しており、被災地へのスポーツ用具の寄贈などにも使われている。それだけに、金メダリストの心も自然と被災地に向かった。

 ロンドン五輪のボクシング男子は村田だけではなく、同学年で仲のいいバンタム級の清水も銅メダルを獲得した。村田は1メートル82、清水は1メートル79と身長はほぼ同じだが、ミドル級のリミットは75キロで、バンタム級は56キロ。本来なら拳を交えることはあり得ないが、メダリスト2人の公開スパーリングは被災地を勇気づける最高のマッチメークだ。「そういう機会をつくってくれるなら、やりたい。清水をボコボコにしてやりますよ」と早くもKO宣言。夢をかなえた黄金の拳には、無数のエールが詰まっている。

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2012年9月15日のニュース