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“ママさんセンター”大友「娘にメダル見せたい」

[ 2012年8月12日 06:00 ]

<日本・韓国>チームメートとVサインで記念撮影を行う大友(前列中央)

ロンドン五輪バレーボール 女子3位決定戦 日本3―0韓国

 ママさん選手の大友が歓喜の涙を流した。04年アテネ以来2大会ぶりの五輪出場で初のメダルを獲得。「最高の仲間と日の丸をつけて戦えることができて、復帰して本当によかった。本当にやり切った。早く娘にメダルを見せたいと思います」と母親の顔をのぞかせた。

 センターの要は5歳の一人娘、美空ちゃんを育てるシングルマザー。代表合宿中は離ればなれの生活で「親らしいことができているのか」と自責の念もあった。だが、ある時、美空ちゃんが「バレーをやっているママが好き」と言ってくれて頑張ることができた。

 06年1月に結婚。同年8月に美空ちゃんを出産し、現役を引退した。転機は08年。子育てで忙しい大友を復帰へ口説いたのは、久光製薬の監督を務めていた真鍋監督だった。10年から日本代表に復帰。昨秋に右膝じん帯断裂の大ケガを負ったが「絶対に間に合わせる」と指揮官に誓った。懸命のリハビリを乗り越えて大舞台に間に合わせた。

 宮城県仙台市出身。昨年3月の東日本大震災で傷ついた故郷には、いつも心を痛めてきた。合宿や遠征の際に娘を預かってくれる親戚が今も住んでいる。「震災があって自分が宮城の代表として日の丸をつけることには凄く意味がある」と言う。

 NEC時代からの同僚で4歳年上のセッター竹下とのコンビで打つ移動攻撃やブロックでチームを引っ張った。「最後までコートに立てて凄いうれしかった。集大成?どうかな。娘との時間がこれからたくさん使えると思います」。世界3位のママは美空ちゃんに最高の贈り物を届ける。

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2012年8月12日のニュース