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兄・健一は敗者復活戦へ 3回戦で苦杯…金メダルは逃す

[ 2012年8月12日 06:00 ]

3回戦でアスガロフ(左)に攻められ敗れた湯元健

ロンドン五輪レスリング

 男子フリー60キロ級の競技が11日に始まり、湯元兄弟の兄・健一は3回戦でアスガロフ(アゼルバイジャン)に0―2で敗れ、銅メダルをかけ敗者復活戦に回った。

 初戦となる2回戦はキューバ選手に1点を先制されながら、後ろについた相手をニアフォールに持ち込み逆転。第2ピリオドは2発のタックルで1点ずつを獲得し、北京五輪に続く連続メダルへスタート。しかし、3回戦では昨年の世界ジュニア王者で、今年の欧州王者アスガロフに屈した。

 北京で銅メダリストとなったが、08年末には持病となっていた椎間板ヘルニアの手術を受け、戦線離脱。その間に弟・進一は全日本選手権を初制覇し「ロンドンへは先にスタートしたぞ!」と“宣戦布告”された。09年12月の全日本選手権は準決勝で敗退。弟に差を開けられるという思いから「正直、焦りがあった」と振り返る。

 だが、その気持ちをぶつけさせてくれたのは、やはり弟だった。全日本選手権で敗れた2日後の09年12月25日。本来、普段の体重はほとんど変わらない2人が、誰もいない自衛隊体育学校のマットで本気のスパーリング。それが再出発の儀式だった。その弟は前日にメダルを獲得。兄としても威厳を示したかったが、金メダルを逃した。

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2012年8月12日のニュース