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村田“1日ぶり”決めた!史上初の複数メダル確定

[ 2012年8月8日 06:00 ]

準決勝進出でメダルを確定させ、泣き顔でガッツポーズの村田(左)

ロンドン五輪ボクシング

 6日の男子ミドル級(75キロ)準々決勝で、第2シードの村田諒太(26=東洋大職)はキリッチ(トルコ)に17―13で判定勝ちし、ベスト4進出を決めた。3位決定戦が行われないため、日本人が不利とされる同階級で初のメダルが確定した。前日に日本勢として44年ぶりのメダルを決めたバンタム級の清水聡(26=自衛隊)に続き、日本勢史上初の複数階級メダル獲得となった。

 勝利を告げるアナウンスが会場に響くと、村田は両手を突き上げ、雄叫びを上げた。銅以上のメダルが決まるベスト4進出だ。日本のエースは「信じてました」と胸をなで下ろした。

 鮮やかな逆転勝利だ。初回はガードを固め、昨年の欧州選手権2位のキリッチに打たせてスタミナを浪費させたが、3―4とリードを許した。2回は攻勢に出たが、思うようにポイントを稼げず7―8。「正直ヒヤヒヤした。2ポイント取り返すしかないと思った」。最終回はさらに積極的に前に出た。動きの鈍くなった相手にボディーに強打を連発し、この回だけで10点を荒稼ぎ。17―13で逆転した。

 前日、清水が先にメダルを確定させた。「どれだけプレッシャーかけてくれるんやろうって、回し蹴り食らわせたいぐらいだった」。大学1年時から一緒に代表で活動する同じ年の親友に刺激を受けた。「44年ぶりだったら喜ぶんですけど、1日ぶりになっちゃった」と言って周囲を笑わせた。

 4番目に重いミドル級。体格で劣る日本人では「通用しない」と言われてきた。昨年の世界選手権では日本人過去最高の銀メダルを獲得した。同階級の五輪出場は16年ぶり2人目。メダル確定でまた新たな歴史をつくった。

 4強入りは通過点にすぎない。準決勝で対戦する元世界王者のアトエフ(ウズベキスタン)には昨年の世界選手権2回戦でRSC(レフェリーストップコンテスト)勝ちしており「負ける気はしない」。決勝ではオゴゴ(英国)が勝ち上がることを想定し「僕はヒールなので、地元の相手をやっつければいい」と頂点に立つイメージも膨らませている。

 日本人の金メダル獲得は64年東京五輪バンタム級の桜井孝雄の1人だけ。「金メダルを獲ったら48年ぶりになる。そっちを狙います」。強心臓の26歳は自信たっぷりだ。

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2012年8月8日のニュース