×

「柔道の根幹にかかわる」海老沼が巻き込まれたお粗末過ぎる判定

[ 2012年7月30日 07:47 ]

準々決勝で、協議する審判団を待つ海老沼(左)と韓国のチョ・ジュンホ

ロンドン五輪柔道

 男子66キロ級で銅メダルを獲得した海老沼匡(22=パーク24)。準々決勝のチョ・ジュンホ(韓国)戦で前代未聞の旗判定やり直しに巻き込まれた。延長を含めた8分間で決着がつかず、旗判定はチョ・ジュンホの勝利を意味する青3本。場内はブーイングが起こり、騒然となった。

 延長1分22秒に海老沼の小内巻き込みを有効としたエディソン・ミナカワ主審(ブラジル)の判定について、ジュリー(審判委員)がキャンセルを指示していた。ただ有効ではなくても、それに近いポイントなのは事実で、判定は海老沼との判断が予想されたからだ。

 そこに再びジュリー団が登場。バルコス審判主任理事は「準々決勝を担当した3人のジュリーは“白(海老沼)が正しい判断”とし、判定を変えるように助言した」と明かした。その指示に従って、やり直しの旗判定で勝敗は覆った。

 柔道関係者も「聞いたことがない」という旗判定のやり直し。日本代表の吉村和郎チームリーダーは「そもそも韓国(チョ・ジュンホ)に上がることがおかしい」と最初の判定を批判しつつ「判定が覆るなんて見たことがない」とあきれ返った。

 海老沼は、3位決定戦でも「一本」と判定された相手の技が「技あり」に変更になるなど、審判に翻ろうされた1日になった。勝者も敗者も後味が悪い五輪という大舞台での失態に、ある関係者は「柔道の根幹にかかわる問題」と怒りをあらわにした。

続きを表示

2012年7月30日のニュース