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「個」にやられた2失点…なでしこ課題浮き彫りに

[ 2012年7月20日 06:00 ]

<フランス・日本>前半、先制点を許し肩を落とす沢(左から3人目)らなでしこイレブン

国際親善試合 日本0-2フランス

(7月19日 フランス・パリ)
 五輪本番前の最後の実戦の場で守備面の不安がまたしても露呈した。

 開始直後からフランスの前線からのプレッシャーへの対応に苦しんだ。サイドを突破され、簡単にDFラインの裏を許してしまい、自陣にくぎ付けにされ続けた。均衡を破られたのは前半24分。左サイドのボンパストルが入れた速いパスは岩清水と熊谷の裏に。ドゥリが中央で抜け出し、先制を許してしまった。岩清水が「やられるとしたら裏に抜けられるパターンが多い」と話していた通りの展開になってしまった。

 佐々木監督が「フィジカルなどを兼ね備えたチーム」と警戒感を示していたが、W杯4強のフランスの攻撃陣の破壊力に最後まで翻ろうされた。左足首痛から復帰した岩清水を先発で起用し、熊谷とのセンターバックコンビが復活。右サイドに近賀、左サイドには鮫島を置く布陣は現時点でのベストを敷いた。それでも、個の能力に対応できないという課題が浮き彫りになった。

 これは4失点を喫して大敗した6月18日のスウェーデン招待・米国戦(1―4)でも指摘されており、チームが抱える最重要課題の一つになっている。1次リーグ初戦で対戦するカナダもエースFWシンクレアを中心に、フィジカルとスピードを最大の武器にしている。「五輪で対戦するチームはどこもわれわれより(体格が)大きい」と指揮官も危機感を募らせた。

 後半28分には左CKから中央を強引に突破した1メートル87のルナールに頭で合わされ、2失点。最後の強化試合は、五輪本番に向け期待より不安が増す内容となった。金メダルを狙う本大会の開幕は刻一刻と近づいている。課題修正のために残された時間は決して長くはない。

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2012年7月20日のニュース