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射撃メジャー化へ 松田3大会連続メダル獲得に“照準”

[ 2012年7月19日 06:00 ]

<ライフル射撃五輪壮行会>メダル獲得を誓う松田(右)

 照準はロンドンの先へ――。日本ライフル射撃協会は18日、都内でロンドン五輪に出場する3選手の記者会見と壮行会を行った。10年の世界選手権で2冠を達成し、名実ともに金メダル候補として臨む松田知幸(36=神奈川県警)は今大会だけでなく、16年リオデジャネイロ、さらに東京が招致を目指す20年大会での3大会連続メダルを宣言。射撃メジャー化計画へ、スケールの大きな目標をぶち上げた。

【松田知幸】

 度肝を抜く“一撃”が、松田の口から飛び出した。大会初日の28日に最初の種目、10メートルエアピストルに臨むメダル候補は「最初に(五輪出場を)決めたことで取り上げてもらって、ライフル射撃のことを知ってもらった。もちろん、日本のメダル1号を狙いたい」と宣言。さらに「4年後のリオ、さらに東京が招致する20年で3大会連続メダルを獲ることが目標。そのために動き始めている」とスケールの大きな構想まで披露した。

 射撃はメンタル面が重要なスポーツで、競技人生が長いとされる。84年ロサンゼルスで金メダルを獲得した蒲池猛夫は、当時48歳。今も日本の最年長金メダリストとして名前が残る。「20年五輪の時、僕はまだ44歳。そこでメダルを獲得して引退するのもいい」。さらに「でも、まだ続けるかもしれない。できれば(今大会に71歳で出場する馬術の)法華津(寛)さんを超えたい」と鉄人宣言まで飛び出した。

 根底にあるのは、射撃をメジャーにしたいという気持ちだ。09年の銃刀法改正により銃の所持が難しくなり、競技人口は減少中。協会によると、松田が得意とする50メートルピストルの競技人口は日本全国で15人程度という。10年の世界選手権で2冠を達成し、メダル候補として取り上げられるたびに「次の世代に」という思いは強くなる。第一人者としての責任感が、松田を突き動かしている。

 競技生活を続けるために眼球を動かす筋肉の運動、老眼対策を始めたのは2年前。さらに、国立スポーツ科学センターには体のバランスを整えるメニューも作ってもらった。「新しい目標を持ち、メンテナンスに気を配るようになった」。愛読書「スラムダンク勝利学」を松田にすすめた長男・侑大くんは今、中学2年生。「競技は違っても、親子同時五輪出場もいい」と、さらに壮大な夢を描く36歳にとって、ロンドンのメダルは伝説の序章に過ぎない。

 ◇日本選手団の夏季五輪の連続メダル

 ☆5大会 柔道女子48キロ級の谷亮子が達成。92年バルセロナで銀、96年アトランタで銀、00年シドニーで金、04年アテネも金、08年北京は銅。

 ☆4大会 体操男子の小野喬。52年ヘルシンキの跳馬で銅、56年メルボルンの鉄棒で金などメダル5個、60年ローマで団体総合の金などメダル6個、64年東京の団体総合で金。

 ☆3大会 柔道男子60キロ級の野村忠宏が96年アトランタ、00年シドニー、04年アテネと3連覇を達成。他に体操男子の加藤沢男、塚原光男、監物永三、遠藤幸雄、シンクロの立花美哉、武田美保、バレー男子の南将之、猫田勝敏が達成。

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