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塚原光男氏作詞曲 公式テーマソングに決定

[ 2012年7月7日 06:00 ]

ロンドン五輪でのメダル増産に向け、日本選手団のテーマソング「強く美しく」を作った日本選手団総監督の塚原光男氏

 27日に開幕するロンドン五輪でのメダル大量獲得に向け、体操競技の金メダリストで日本選手団総監督の塚原光男氏(64)が歌で選手を鼓舞する。自身が作詞した曲「強く美しく」が選手団の公式テーマソングに決定。CDを全員に配布し、11日には一般発売される。

 28年アムステルダム五輪で日本人初の金メダリストとなった、三段跳びの故織田幹雄さんが残した「強いものは美しい」という言葉がテーマ。半年かけて詞を書き、5個の金メダルを獲得した経験を詞に落とし込んだ。闘争心をかき立てるアップテンポなメロディーながら、女性ボーカルkyoko☆の爽やかな歌声でリラックスさせてくれる。曲は公募し作曲家の栗本修氏、ats―氏が作ったが、選手に配布されるCDには塚原氏作曲の特別版も収録する。

 きっかけは4年前の北京五輪。柔道男子100キロ級の鈴木桂治選手ら金メダル候補が力を出し切れずに惨敗し、「力はあっても、重圧をはねのけた者しか栄光はつかめない」と、精神面の強化対策が必要と実感した。10年に日本オリンピック委員会(JOC)のロンドン五輪対策プロジェクト委員長に就任後すぐ、「音楽の力を生かしたい」と自らがテーマ曲を作る企画を進めた。

 同年のアジア大会で試験的にCDを配布。「選手がみんな“いいね”って言ってくれたので」五輪での配布も決めた。JOCの会議で曲を流すなどしており、「体操の練習場では勝手に僕がかけてるから、内村航平選手も聴いてますよ」。JOCにとって初の公式テーマ曲で、今大会に限らず永久的に日本選手団の応援歌となる。

 中学生の頃からギターをたしなみ、グループサウンズを愛する塚原氏は、現役時に五輪開催国にラジカセを持参。「本番前日はビートルズやベンチャーズの曲を聴くとリラックスできてよく眠れた。緊張感がほぐれた」と効果を自ら体現している。「勝ちのムードをいかにつくるかが大事。勝利のテーマソングとして国民の方にも歌ってほしい」と話している。

 ◆塚原 光男(つかはら・みつお)1947年(昭22)12月22日、東京都出まれの64歳。跳馬のツカハラ跳び、鉄棒の月面宙返りを開発。五輪3大会連続で団体総合優勝。五輪の獲得メダルは9個(金5、銀1、銅3)。長男の直也も体操金メダリスト。

「強く美しく」
作詞 塚原光男

がんばれ!ニッポン!
がんばれ!ニッポン!

輝く未来を創(つく)ろうよ
世界に ひとつ 君だけの
果てしない 夢を探し求めて
強くなろう 美しく

輝く世界を創ろうよ
信じることが 大切なんだ
自分の道を ゆっくり行こう
強くなろう 美しく

弱い自分は 捨ててしまおう
涙なんか 見せたりしない
苦しみ 悲しみ 乗り越えたとき
強くなれるさ 君なら出来る

朝の光を 浴びながら
夢に向かって 飛び出そう
頑張れニッポン 美しく

強いものは美しく

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2012年7月7日のニュース