×

番狂わせ演じたブレーク「五輪でも同じことやりたい」

[ 2012年7月1日 06:00 ]

ブレーク(右)を称えるボルト

陸上ジャマイカ選手権兼五輪代表選考会第2日

(6月29日 キングストン・ナショナルスタジアム)
 ブレークは持ち味となっている中盤からの加速で先行するパウエルを追い詰め、75メートル地点で抜き去るとそのままゴールに飛び込んだ。昨年の世界選手権で優勝はしたものの常に「ボルトが失格になったから」と言われ続けてきたが、その後のレースでは初めてとなった直接対決を制して“新王者”としての存在感を示した。

 従来の自己記録は昨年に2度マークしていた9秒82。それを上回る好タイムとあって「9秒75なんて凄い。僕は世界選手権に勝ち、ジャマイカでもNo.1になった。そして五輪でも同じことをやりたい」と喜びを爆発。「第一人者となってプレッシャーはないか?」という質問には「全くない」と言い放った。

 愛称は「BEAST(野獣)」で、1メートル80、78キロというサイズ以上に体が大きく見えるようになってきた。加速力を生む大臀(でん)筋はこんもりと盛り上がっている。200メートルでのラスト50メートルは、ボルトをもってしても勝てないという見方もある。短距離界の政権交代?ボルトを置き去りにした男が、母国でその答えを出そうとしている。

 ◆ヨハン・ブレーク 1989年12月26日、ジャマイカのセント・ジェームズ出身の22歳。07年に10秒11の国内ジュニア記録を樹立。09年には19歳で10秒の壁を突破(9秒93)し、9秒台は過去18回マークしている。昨年の世界選手権の100メートルでは9秒92で優勝。400メートルリレーでも1位となった。

続きを表示

2012年7月1日のニュース