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なでしこ “吉兆”直前仏合宿 男子は00年アジア杯V

[ 2012年5月29日 06:00 ]

世界最高峰と言われるクレールフォンテーヌのトレーニングセンター

 日本サッカー協会は28日、なでしこジャパンのロンドン五輪までの日程を発表。英国入り直前の合宿を7月16~19日にフランス・パリ郊外のクレールフォンテーヌ・ナショナルトレーニングセンターで実施することになった。98年W杯フランス大会を制したフランス代表の合宿地であり、00年アジア杯で優勝した日本代表が直前合宿で利用したこともある。縁起のいい場所からロンドン五輪へと出陣する。

 ロンドン五輪で金メダルを目指すなでしこジャパンが、最高の前線基地を確保した。直前合宿地として選んだのは世界最高峰のトレーニング施設として知られるフランスのクレールフォンテーヌ。日本協会の上田栄治女子委員長は「(7月19日の)フランス代表とのトレーニングマッチに合わせて合宿地を決めた」とした上で「過去にユース年代も使用しており、合宿のしやすい施設」と意図を説明した。

 パリ郊外の隔離された敷地内には天然芝グラウンド7面、体育館、宿泊施設など充実した設備があるうえ、直前合宿を行ったチームは好成績を残すという心強いデータがある。98年W杯では開催国フランスがここをベースに戦って初優勝した。また日本にとっても相性のいい場所だ。フランス人のフィリップ・トルシエ氏が率いたU―20日本代表は99年3月に合宿を張り、同4月の世界ユース選手権(現U―20W杯)ナイジェリア大会で準優勝。00年10月にはトルシエ氏が指揮する日本代表がアジア杯レバノン大会前に合宿を行い優勝している。なでしこジャパンは泊まり込みで同施設をフル活用する予定。士気を高めるにはもってこいの環境だ。

 五輪本番までは緻密に計算された日程が組まれている。メンバー発表後の7月9~14日に千葉県内で合宿を実施。佐々木則夫監督の意向で、男子の学生と一緒に練習して海外勢との体格差に慣れさせる。08年北京五輪直前の岡山合宿でも男子大学生と練習して五輪4強入りにつなげており、その調整法を踏襲する。同11日には五輪1次リーグ初戦の相手カナダを想定したオーストラリアと壮行試合を実施。その後、渡欧する。験を担いだ「勝利の方程式」で金メダルへの道筋が見えてきた。

 ▽クレールフォンテーヌ・ナショナルトレーニングセンター パリの南西約50キロに位置する国立の施設。76年フランス協会のフェルナンド・サストル会長が代表の本拠地となる施設の設立を発案し88年1月に完成。総面積5600平方メートルの広大な敷地内に7面の天然芝グラウンド、体育館、トレーニングジム、宿泊施設などがある。ここを拠点とする選手育成機関、ナショナルフットボール学院はアンリ、トレゼゲら代表選手を輩出。日本のJヴィレッジ(福島)やJFAアカデミーのモデルになった。

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2012年5月29日のニュース