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迫田救った!日本女子、キューバ撃破し五輪王手!

[ 2012年5月26日 06:00 ]

<日本・キューバ>勝利を決め喜ぶ(左から)木村、平井、佐野、新鍋、竹下、迫田

バレーボール女子ロンドン五輪世界最終予選兼アジア予選第5日 日本3-2キューバ

(5月25日 東京体育館)
 ニューヒロインの大活躍で五輪王手だ。世界ランキング3位の日本は同10位のキューバと対戦し、3―2でフルセットの激戦を制した。途中出場の迫田さおり(24=東レ)がチーム最多20得点を挙げた。日本は4勝1敗で勝ち点11で2位。26日は世界7位のロシアと対戦するが、勝てば自力で3大会連続の五輪出場が決定。フルセット負けでも他の試合の結果次第で五輪切符を手にできる可能性がある。

 ロンドンがくっきりと見えた。対戦成績で過去22勝64敗、最近10試合でも2勝8敗と圧倒されていた難敵キューバを、真鍋ジャパンがフルセットで下した。ちょうど2時間の大熱戦を制して、3大会連続の五輪切符獲得に王手をかけた。歓喜の輪の中で、ニューヒロイン迫田が充実の笑みを浮かべていた。

 「最後までみんなが我慢して勝てた試合。チームに貢献できて良かった。とにかく“決めたい”って思っていた」

 17―23の劣勢から8連続得点の大逆転で奪った第1セット。チームメートの奮闘を見守っていた迫田がコートに入ったのは、第2セット14―19の場面だ。いきなりバックアタックを決めると、24歳のエンジンは全開。第3セットはサーブで崩し、第4セットは終盤に3連続得点。最終第5セットも強打を連発し、エース木村をしのぐチーム最多の20得点をマークした。真鍋監督も「迫田がチームを救ってくれた」と最敬礼だ。

 23日の韓国戦ではサーブが機能せずに今大会初黒星。迫田もバックアタックが不発だったが、その教訓を生かした。「(バックアタックへの)自分の入りが少し遅かった。コートの中で“早く、早く”と思っていた」。身長は1メートル75だが、驚異の跳躍力でスパイク時の最高到達点は3メートル05。身長で10センチ高い木村の3メートル04を超える。ジャンプ力があり「鳥人軍団」と呼ばれるキューバの息の根を止めたのは、火の鳥ニッポンの「鳥人」だった。

 フルセットの劇的勝利で勝ち点2を積み上げ、26日のロシア戦に勝てば、自力で3大会連続の五輪出場を決められる。ロシアは今大会全勝で既に五輪出場を決めている強豪。過去の対戦成績でも22勝68敗と分が悪い。だが、「全員で束になってかかれば、いい結果が出ると思う」と迫田は気合十分。跳んで打って決める。そしてロンドンに続く道を切り開く。

 ◆迫田 さおり(さこだ・さおり)1987年(昭62)12月18日、鹿児島県鹿児島市出身の24歳。小学3年からバレーボールを始め、鹿児島西高から06年に東レ入社。ニックネームは「さおり」の下2文字を逆にした「リオ」。ポジションはウイングスパイカー。1メートル75、65キロ。

 ▽26日五輪決定の条件 今大会は8チームの総当たり戦で(1)3位以内(2)残り5チームの中のアジア最上位の計4チームが出場権を獲得する。勝ち点制で3―0、3―1の勝利は勝ち点3。フルセットで勝てば勝ち点2、負けても勝ち点1。勝ち点で並んだ場合は勝利数、セット率、得点率の順で優劣をつける。3位以内の可能性を残すのはロシア、日本、タイ、韓国、セルビア。日本は4位以内で五輪出場が決まるため、いずれか1チームを上回ればいい。日本はロシアに勝てば勝ち点14か13。直接対戦を残す韓国とタイは最終的にどちらかが勝ち点13以下になる。最終的に勝ち点13で並んでも日本は勝利数でどちらかを上回るため五輪決定。またロシアに敗れてもフルセット決着なら、韓国―タイがストレート決着の場合、またセルビアがストレート負けの場合はセット率により日本の五輪出場が決定する。

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