“異質の緊張感”に勝った!上山 圧勝で2大会連続五輪
トランポリンロンドン五輪代表最終選考会
(4月28日 東京・国立スポーツ科学センター)
男子個人の1枠を懸けて行われ、上山容弘(27=大体大大学院)が予選2回と決勝の計3回の合計で166・115点の1位となり、2大会連続の五輪代表に決まった。北京五輪4位の外村哲也(27=JPT)は9位で代表を逃した。既に内定している男子の伊藤正樹(23=金沢学院大ク)、女子の岸彩乃(19=金沢学院大ク)と合わせて計3人の代表が出そろった。
決勝の演技を大きなミスなく終えると、上山は天井を見上げて、両手で顔を覆った。予選からさらにリードを広げ、2位に約3点差の圧勝。「今までの試合とはまったく異質の緊張感で、足が震えるほどだった。ホッとしました」。07年に胆管細胞がんで亡くなったコーチの父・剛さん(享年56)の遺影を手に見守った母・順子(よりこ)さん(55)と抱き合い、目を真っ赤にして喜んだ。
武器と公言する「安定感」を発揮した。五輪本番の決勝では予選の点数を持ち越さないが、この選考会は予選と決勝の合計勝負。ライバル外村が予選でミスして自滅したのとは対照的に計3度の演技をしっかりまとめた。
金メダル候補と期待された08年北京五輪は9位。昨年3月末にはスポンサーの支援が打ち切りとなり、11月に埼玉県内の不動産会社に入社が決まるまで、貯金を切り崩して活動してきた。「(マラソンの)藤原新さんじゃないけれど、無職でハングリーになった。気持ちの面は4年前と違う。メダルを目標にきょうからまた頑張りたい」。厳しい選考会を乗り越えた27歳はまた一層たくましくなった。
◆上山 容弘(うえやま・やすひろ)男子個人で世界選手権は05年に2位と日本勢初の表彰台に立ち、07年、09年、10年で3位と4大会連続メダル獲得。08年北京五輪9位。大阪・日根野高出、大体大大学院。1メートル63、57キロ。27歳。大阪府出身。
▽トランポリン競技 10本連続で演技(ジャンプ)を行い、その得点を競う。得点は出来栄えを採点する演技点、回転数や捻り、姿勢などによって算出される難度点、高さを評価する跳躍時間点の3つで構成される。昨年の世界選手権男子個人では日本勢は2人が決勝に進出して五輪出場の2枠を獲得。銅メダルを獲得した伊藤が代表内定。女子個人は1月の最終予選10位で代表枠を獲得した岸が代表内定していた。
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