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藤原「就活します」…Qちゃんばり“チーム新”構想も

[ 2012年2月28日 06:00 ]

<藤原新 東京マラソン一夜明け>藤原は東京マラソンから一夜明けカステラを味わいながらVサイン

 26日の東京マラソンで日本人最上位の2位に入り、ロンドン五輪代表を確実にした藤原新(30=東京陸協)が一夜明けた27日、都内で取材に応じ、スポンサー企業を探す就職活動に着手することを宣言した。一方、14位に終わった川内優輝(24=埼玉県庁)は丸刈り頭で勤務先の春日部高校に出勤した。28日でロンドン五輪開幕まであと150日。男子マラソンの両雄がそれぞれの形で再出発した。

 時の人、藤原は少し腫れぼったい顔で報道陣の前に現れた。前夜は焼き肉店でお祝い。祝福のメールや電話が殺到し、なかなか食事にありつけなかったというが、6人前をペロリとたいらげ「競技者としてふさわしくない時間に寝た」と深夜まで騒いだ。レースまで断っていたお酒も「たしなむ程度」口にした。

 五輪出場当確から一夜明けて「うれしさを感じ、次の目標や青写真を考えている」と喜びを語った藤原は「さあ、就活(就職活動)もやらないと」とまずはスポンサー探しに動くことを宣言した。10年3月にJR東日本を退社し、プロランナーに転向したが、スポンサー企業が経営難となり昨年11月に契約解除。以降は企業から支援のない状態で走り続けている。スポンサー企業があれば余裕を持ってトレーニングに打ち込めるだけに「プロ、実業団という形式にはこだわらない」と話した。企業の陸上部に所属する可能性も否定しなかった。

 ただ関係者によると、基本的にはプロランナーという現在のスタイルは崩さない方針という。練習拠点は東京の国立スポーツ科学センター。特定の指導者にはつかず、練習は単独で行う。「これまでサポートしてくれた人との関係はそのまま」(関係者)で独自のサポートチームを立ち上げるプランもある。05年に小出義雄氏から独立し、ファイテン社所属となり、さまざまな分野の専門家を集めたサポートチーム「チームQ」を立ち上げた高橋尚子さんのケースに近い。言ってみれば「チーム新」だ。

 既にスポーツマネジメント会社「クロスブレイス社」がマネジメント業務を担当することが決定。ウエアを提供する「アシックス社」は、体にフィットするウエアを好む藤原のためにロンドン五輪で使用する夏仕様モデル開発の検討に入った。レース前日に食べたカステラを製造販売する長崎の老舗カステラ店「福砂屋」も「希望するなら商品を送ることもできます」と支援を約束している。

 「より速いペースでより長く走れるようにする。これに尽きる」と藤原は競技面の課題にスピード強化を挙げた。「ハーフマラソンの記録を伸ばしたい」とハーフ1時間1分台を目指す。五輪代表の正式発表は3月12日だが、既に追い風が吹き始めている。

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