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費用3億エベレスト山頂で聖火リレー

[ 2008年3月9日 06:00 ]

訓練中にトーチを掲げる、北京五輪聖火のチョモランマ登頂を目指す登山隊員

 北京五輪の見どころは今年8月8日の開会式よりも3カ月前!?同大会の聖火リレーが、5月中旬にも標高8848メートルのチョモランマ(英語名エベレスト)の山頂付近で行われることになった。中国はこの仰天プランに約3億円を投資。五輪の目玉、歴史的なイベントにしようと意気込んでいる。

 中国チベット自治区で続く北京五輪の聖火のチョモランマ登山最終訓練。当初の計画は世界最高峰の山頂で点火するだけだったが、実際に山頂近くでリレーする形式に変更され、登山隊員の最終チェックに力が入っている。
 低温、低酸素、強風の山頂では炎の燃焼が難しいため、五輪組織委員会は、火種を運び点火するだけで十分としていたが、最近になって急きょ「見栄えがしないのでリレーの形にしてほしい」と登山隊に計画変更を要請した。
 共同電によると、特別製トーチ(聖火)の燃焼時間は平地用の半分以下の約7分しかない。登山隊は山頂から約30メートル離れた岩場で点火、2人1組で2度リレー、山頂のアンカーに渡す案を検討している。しかし「強風で歩くのに時間がかかれば途中で火が消え再点火できない」(関係者)と心配は尽きない。
 現在、隊員31人ら登山隊は1日から、チベット自治区ラサ近郊の標高6200メートルの山で高地順応能力を高めるための訓練に励んでいる。隊員の1人は「きつい条件だけど、なんとかできる」と話している。
 中国は「世紀のイベント」に約2000万元(約3億円)を投じた。「現指導部が掲げる調和のとれた社会を象徴するため」(中国登山協会幹部)と、31人の隊員には高地に強い22人のチベット民族に加え、漢民族も入った。
 聖火は3月24日にアテネで点火。分けられた火種を持って、登山隊は5月中旬の気象条件の良い時期を狙って登頂する予定だ。

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2008年3月9日のニュース