もう何年になるのでしょうか――。スポーツバーと天然芝球場への憧れ。
情報の少なかった中学生の頃、160キロを投げるノーラン・ライアン、“オズの魔法使い”と呼ばれた守備だけで最高年俸に届いたオジ−・スミス。メジャーへの思いを強くしてくれたのが、この2人でした。
現役時代はシーズンが一緒のため、メジャーを見ることはできませんでした。しかし、当時のヤクルトはパドレスのキャンプ地・ユマでキャンプを張っていたため、ほんのわずかだけど、メジャーの練習を目の当たりにするチャンスがあったのです。“安打製造機”と呼ばれたトニー・グウィン。“抑えの大エース”ゴッセージらがグラウンドで練習を始めると、時間をみつけては見に行ったものでした。
そして現役引退。それなのに中学時代に憧れたライアンは何とまだバリバリの現役。すぐに取材に飛びました。当時のライアンは7度目のノーヒッターを達成したばかり。世界から取材が1000件も来ているということで広報は全くとり合ってくれなかったのに、ライアン本人が「わざわざ日本から来てくれた。明日、ブルペンの後ろの見えないところでインタビューをしようと声をかけてくれたのです。
超一流選手の人間性に感激、それ以来メジャーにハマった理由です。そして何度も取材で渡米するうち、ボールパークの周囲には必ず、球場に入れなかったファンのためにスポーツバーが存在し、そこで野球について語り合う場所が存在することに気が付いた。これこそ、文化だと感じた。
そんな雰囲気の場所をどうしても造りたいとずっと心に持ち続け、ひそかに場所を探し始めたのでした。芝の上でのプレーはやはり思い切りがいい。あの感動的なプレーは子供の頃からそんな環境でプレーをしなければいけないことを考え始めたのです。そして映画「フィールド・オブ・ドリームス」の撮影が行われた球場を訪れたときの感動も忘れられません。“ここは天国か”と聞きたくなるほどでした。
実現は不可能かもしれない。でも、そんな場所をどこかに作りたい。そして子供たちがそこで野球を楽しんでくれたなら、そんな幸せはない。そう思ったのです。
そこから始まったこの北海道・栗山町の球場造り。多くの方の協力を得て、ここまで来ました。この場を借りてお礼を言わせていただきます。ありがとうございます。