G1周年記念競走展望

【まるがめG1京極賞】“日本一のうちわ”作ってみよう

[ 2014年5月16日 05:30 ]

様々な丸亀うちわや全国の珍しいうちわが展示されている「うちわの港ミュージアム」
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 旅打ちの楽しみのひとつに知らない街のブラブラ歩きがある。今回、訪れた香川県丸亀市のボートレースまるがめは、幸いにもナイター開催なので時間はたっぷりある。そこでうちわ生産量日本一に敬意を表して「うちわの港ミュージアム」でマイうちわづくりに挑戦。さらに「石の城」として名高い丸亀城へ足を伸ばした。

 JR丸亀駅から港の方へゆっくり歩いて約10分のところに「うちわ港ミュージアム」(入場無料)がある。様々な丸亀うちわや全国の珍しいうちわに貴重な文献、うちわづくりの人形模型などが展示されたうちわの総合博物館だ。丸亀うちわの歴史は古く江戸時代初期に始まる。こんぴら参りの土産ものとして人気を博し、うちわづくりを藩士の内職に奨励したこともあり地場産業に育った。丸亀うちわが発展した背景を表す古い歌が残っている。

 「伊予竹に土佐紙貼りてあわ(阿波)ぐれば讃岐うちわで至極(四国)涼しい」。

 つまりうちわの素材となる竹は伊予(愛媛)、紙は土佐(高知)、ノリは阿波(徳島)とすべて四国内で良質のものが調達できたのが隆盛の要因でもあったのだ。その歴史は現代にも引き継がれ、丸亀うちわの年間生産量は約8300万本で全国シェアの%に達する。平成9年には国の「伝統的工芸品」に指定された。

 丸亀うちわの「昔と今」を学んだ後はいよいよ体験コーナー(500円)で“マイうちわ”にチャレンジだ。まず50種類超の絵柄がある中から気に入った地紙を選ぶ。うちわの生産工程は47にも及ぶ。大別すると「骨」と「貼り」の工程に分かれる。竹をうちわの長さに合わせて切断し内側の節を削る「木取り」、切り込み機で穂先に35~40本の切り込みを入れる「割(わき)」など「骨の生産工程」には熟練の職人技が求められる。この工程は実演コーナーで見学できる。

 初心者が体験できるのは「貼りの生産工程」で所要時間は30分~40分。まずうちわ骨の穂の部分に地紙を表裏2枚、ノリで貼りつける「貼立(はりたて)」。地紙がずれないよう細心の注意がいる。続いてタワシを使って地紙から空気を出す。約10分間、乾かした後、マイうちわの形を決める重要な工程の「型切り」になる。うちわの骨には満月型や玉子型など様々な形があり、10種類以上ある型切鎌で裁断して自分好みの形にする。そしてうちわの周辺にへり紙と呼ばれる細長い紙を貼りつける「へり取り」で出来上がりだ。 細かい作業に苦戦しながらもチョッピリ“職人気分”を味わって手にするマイうちわ。レース場ではカッカしがちな頭に涼を送って“左うちわ”で帰れればいいのだが…。

◇石垣の高さ日本一

 瀬戸内沿いの城下町・丸亀は静かで落ち着いた佇まいが魅力だ。400年の歴史を刻む丸亀城は、標高66メートルの亀山に築かれた平山城でJR丸亀駅から10分とかからない。通町のアーケードを南へ向かう。途中、やはり目に付くのは讃岐うどんの店また店。うどん県だから当然か。腹ごなしにはもってこいだが、いつも悩むのがトッピングは何か?しかし、当地では迷いなし。うどんと並んで骨付鳥も丸亀名物。だから鳥天で決まりだ。

 丸亀城は高さ日本一の石垣を有することから「石の城」と称さる名城だ。この時期は新緑と独自の様式美をもつ石垣とのコントラストが見事だ。大手門から入ってすぐに待ち構えているのが急勾配の通称「見返り坂」。多くのオジさんはここで日頃の運動不足を痛感するはず。この坂を登り切ると三の丸の広場に着く。三の丸北側の石垣は最も高く、20メートル以上の城壁が続き、その美しい曲線は「扇の勾配」と呼ばれている。また、真正面に讃岐富士(飯野山)を望む月見櫓跡からの眺望は一見の価値ありだ。また、3層3階の天守は四国で最も古く完成(1660年)、日本一小さな現存木造天守である。

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