G1周年記念競走展望

【まるがめG1京極賞】地元・香川勢の層が厚い

[ 2014年5月16日 05:30 ]

年末のグランプリ出場へ弾みをつけたい森高
Photo By スポニチ

 ボートレースまるがめ開設62周年記念競走の「G1京極賞」は17日から22日までの6日間シリーズ。現在2連覇中の太田和美に昨年8月のメモリアル(MB記念)覇者の毒島誠、昨年11月のダイヤモンドカップを制した田村隆信が不在で、森高一真ら8選手を擁する地元・香川勢の層が厚い。遠征組の筆頭格は今年すでにG12勝の山崎智也。今垣光太郎、峰竜太らSG以外で来るのは珍しい主力の参戦もある。

 「厳しいことを書いてもらってもいい。むしろ書いてくれへんかな?」

 ざんげとも取れる発言で始まったのは、7月に開催されるSG「オーシャンカップ」(7月16―21日)の出場権を取り逃がしたことについて尋ねられたときだった(注・6月浜名湖グランドチャンピオン決定戦で優勝なら出場可能)。地元・香川の総大将として、地元SG初制覇へ注目が集まるはずが出場すらかなわなかった。そしてこの瞬間、森高が走る地元の今年最大のビッグレースは今回の京極賞になった。

 「オーシャンの権利は取りにいくものというより、『取って当然』の構えでいた。もし、この権利のためにガムシャラに頑張っていたら悔しかったかもしれないけど『取って当然』と思っていたから悔しいというより情けない感じ…」

 昨年11月に津のチャレンジカップでSG初制覇。しかし、この年のグランプリ(賞金王決定戦)出場を逃して、大願成就は地元でオーシャンカップが開催される今年と期待がかかっていた。それだけに、本人もそうだが周囲も落胆した。

 「SGを勝った後の地元戦が悪いから、批判されて当然やと思う。山崎昭生さんや安岐真人さんからも叱咤激励されているし、また結果を出さないと…」

 今年は連覇を狙う安岐真人杯のGW戦ではなく、直前の節に地元を走った(GWは津つつじ賞に出走)。最近の課題だった仕上がり面やイン戦の取りこぼしもなく順当にV。「最近では珍しく良く仕上がった」と期待が高まる。思えば京極賞初Vの3年前も5月。GW戦直後の開催だった。2回目の優勝をきっかけに、年末のグランプリ出場へ弾みをつけたい。2日目12Rのブルーナイタードリームに1号艇で出場する。ここは負けられない!

◇山崎、京極賞初制覇を目指す

 おととしのグランプリ覇者が、今年は軽快なピッチで賞金ランク上位をひた走る(11日現在2位)。1月に浜名湖賞、4月にびわこ大賞と2本の周年記念を制覇。ゼロ台スタートから逃げ切ったびわこも強かったが、どん尻Sから1周2Mで2艇をさばいて逆転優勝した浜名湖のワザがこの男の真骨頂だ。

 「昨年はレースに対する気持ちが甘かった。今年は気持ちを入れ直してやっています。まずは賞金6位以内でグランプリに出場してまた黄金のヘルメットをかぶりたいです」

 ご存じのとおり、今年からグランプリ出場のルールが新しくなった。従来の12位までから18位まで出場できる代わりに、7位から18位の選手はファイナルまでに“関門”を突破して6つのイスを獲得しないといけない。これまでの優先権を与えられるのは上位6選手だけ。SG1勝しても安心できず、獲れるものは根こそぎ獲る覚悟で臨まないとトップ6入りは難しい。

 ブルーナイターは09年4月の開幕戦を走ったほか、横西奏恵さんとの結婚が決まった直後の10年12月戦は「優勝して帰りたい」と宣言しての有言実行V。ビッグレースでは、09年のメモリアル(当時はMB記念)や3年前のこの大会で優出歴がある。地元の桐生がナイター開催場とあって、以前から「ナイターレースは好き」と公言する。今節は初日12Rの京極ドリーム1号艇からスタート。ここをしっかり勝って、京極賞初制覇を目指す。

◇平山、ぶっつけも気合十分

 新女王の2014年は今のところケガとの戦いだ。昨年末の平和島で負傷帰郷し、1月の地元・丸亀の女子リーグを欠場するハメになった。1月末の児島から復帰。優勝こそないが、優出回数を増やして「さあ、これから」というときに、今度は丸亀のGW開催で負傷帰郷。ぶっつけ本番で今節に挑む。

 昨年は1月の尼崎近松賞(当時)で混合G1制覇。12月のクイーンズクライマックス(賞金女王決定戦)を制して、最優秀女子選手に輝いた。唯一の心残りは1号艇で優出した8月の鳴門レディースチャンピオンで優勝を逃したこと。今年は2冠の完全制覇の期待もかかる。

 「2014年は昨年以上の年にしたい」と1月に語っていたことがある。完全無欠の女王への道は平たんではないが、平山なら必ず乗り越えられる。今節はそのきっかけにしたい。

◇田口、混合V狙える好調ぶり

 今年は11節走って6優出V5。オール女子2回、女子リーグ2回、W優勝戦1回と女子のカテゴリー内とはいえ、絶対的な強さを見せつける。混合戦は4月児島のMB大賞で準優3着。優勝戦にあと一歩のところまで迫った。

 「昨年、賞金ランク12位までに入れなかった悔しさがあるので、今年はクイーンズクライマックスの舞台に戻りたいです」

 その意気込みが伝わってくる勝ちっぷりだ。今年最初のVはここ丸亀だった。イン戦だったドリームで3着に敗れたが、2日目から行き足を中心に節イチ級のパワーに仕上げてオール2連対。優勝戦はコンマ03の強スリットから圧巻の逃走劇だった。ブルーナイターは2回走って2優出V1。水面相性は悪くない。

 昨年の尼崎近松賞の平山智加以来となる女子選手による混合G1制覇。今の田口はその偉業を果たせるだけの力と勢いがある。

◇モーター診断

 現モーターは飛び抜けたエース級が少なく、2連対率40%以上のものも数多くある。数字よりも直前気配や大整備で上向いた上昇機を狙う方が良さそう。

 ◎…1~10号機…◎
 優出、V回数は「7」と「10」だが勢いは「9」が断然。とくに伸びがいい。ハズレも多い番台で出場モーター自体が少ないかも?

 ◎…11~20号機…◎
 「14」が現在のエース格だがピークが過ぎた感もある。「18」も2月の四国地区戦あたりまではエース候補だった。こちらも下がり目。「12」がやや上昇中。

 ◎…21~30号機…◎
 「23」が事実上のエース機。A2、B級選手が乗っても節イチ級に仕上がる。「25」の優出回数も増加中だが中堅上位級。森高が4月戦Vの「26」は「周年でも一度引きたい」と言わしめた。「27」も悪くない。

 ◎…31~40号機…◎
 「36」が元祖エース機。2月に新ペラ交換になって勢いが衰える。それでも水準以上。地区戦Vの「37」は順調。「33」が近況急上昇の注目機だ。一時期良かった「31」は下がり目。

 ◎…41~50号機…◎
 「45」は乗り手で稼ぐが正味は中堅前後の凡機。地元選手オススメの上昇機は「49」だ。「46」はたまに爆発することも。「41」は春から調子を上げる。

 ◎…51~66号機…◎ エース級だった「60」と「65」は完全に勢いを失った。とくに「65」は良かった伸びがサッパリ。鎌田義がセット交換した「62」が上昇中。優出回数は「58」が多いが、乗り手がいいわりには気配は目立たない。

続きを表示

この記事のフォト

バックナンバー

もっと見る