G1周年記念競走展望

【G1戸田グランプリ】中道善博 名腕が斬る

[ 2014年2月19日 05:30 ]

 一般的に戸田は「狭いコース」という特徴が思い出されるでしょうが、私はとにかく風があると嫌でした。スタンド側の水面際にガラスがそびえ立っている影響で、予測できない「返し風」があるからです。向かい風でも追い風でも一定の風なら選手は対応しますが、障害物ではね返ってくる不規則な風にはボートがすくわれてしまうのです。

 戸田は86年の30周年記念を優勝しました。優勝戦は風が強かったので、インコースを選択したのが正解だったと思います。戸田では96年に賞金王が開催されました。この日もホーム追い風6メートルの難コンディションでした。私は優出しましたが5着。優勝戦には登録2000番台が私を含めて5人出場しましたが、勝ったのは唯一登録3000番台の植木でした。翌年以降は完全に「3000番台の時代」となりました。

 昨年の賞金王(住之江)は、優勝した池田浩二以外の5人が登録4000番台。時代が変わる予感がします。戸田をホームとする埼玉支部は桐生順平を筆頭に将来有望な若手の宝庫。昨年4月に導入された新プロペラ時代以降、スピード時代になっていますので、埼玉に限らず全国の若手は天下を取るチャンスです。迷いのないレースで暴れ回ってもらいたいものです。

 戸田は、風さえなければ最高のレース場だと思います。いいエンジンならコースを問わずスリットで先手を奪えれば伏せ込んで1Mまで有利な形に持っていけます。地元以外の記念常連選手は多くても年1節、少なければ2~3年に1節しか走れませんから、やはり水面を知り尽くしている地元選手が有利でしょう。(本紙評論家)

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