G1周年記念競走展望

【多摩川ウェイキーC】中道善博 名腕の水面解説

[ 2013年9月4日 06:00 ]

 選手によっては「プール型水面」や「海水面」で得手不得手があるもの。「広さ」も影響するでしょう。多摩川は見晴らしのいい広大なプール水面です。私は広い水面が苦手で、得意なのは蒲郡だけでした(笑い)。平和島や戸田と同様、多摩川はインが弱い。これも、私のレーススタイルには合いませんでしたね。

 そういえば、多摩川ではフライング防止策としてスタートラインの5メートル手前に人工で底から「泡のライン」を出していました。年間に1節走るかどうかの私にとっては慣れていなかったですし、何より気になってしまってあまり好きではありませんでした。こうして考えてみると、同じコースレイアウトなのに随分と特徴があるものですね。

 さて、多摩川のような淡水の水面は、海水に比べて水深が浅いので水面の底に当たってはね返る波の影響を受けます。前を走っている分には大丈夫なのですが、後ろを走ると乗りづらくなる。淡水場の傾向です。

 ボートの良否も乗り心地に大きく関係すると思います。使い込まれていればなおさらです。持ちペラ制の時代には、自信の持てるペラなのに結果が出ないとボートに原因があるのではないかと考えることができました。現在のオーナーペラ制度では主流となっている「ヤマトペラ」が1枚しかないので、仕上げられない原因がペラなのかエンジンなのかボートなのか判断しづらい。特に多摩川のような淡水場では深刻な問題ですし、選手も調整に苦労していると思いますよ。(スポニチ本紙評論家)

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