G1周年記念競走展望

【丸亀京極賞】中道善博 名腕が斬る!番外編

[ 2013年7月12日 06:00 ]

 私の生まれた徳島県の祖谷というところから香川県は意外と近いんですよ。だから小さいころ、丸亀には身近なイメージがありました。父親の転勤で中学3年生の時に鳴門市に引っ越しをしてからは少し遠くなったような気がします。とはいえ、お隣の県なんですがね(笑い)。

 レース場のあった鳴門に転居したからこそボートレースという存在を知ることができ、選手になることができました。そのおかげで準地元のまるがめボートレース場にもお世話になることができたと思います。

 そのデビュー戦を飾るのがまるがめなんですよ。私の登録期は22期なんですが徳島支部の同期には私を含めて4人いました。なぜか私だけが鳴門ではなく、まるがめでのデビューだったんです(笑い)。

 1966年(昭和41年11月8日に初戦を迎えました。その節間に初1着もマークでき、相性のいい水面になるのかなと思いましたが、その後1度もまるがめで優勝することなく引退。優出はできても、あと一歩のところで優勝を逃していたのを思い出します。準地元ながら本当にまるがめは苦手でした…。

 私と同じ徳島支部ながら、まるがめにめっぽう強い選手がいます。近ごろ、メキメキと地力を強化している興津藍です。

 興津のまるがめでの過去3年間の勝率は8・38と驚異的な数字を残しています。G1初出場(2002年四国地区選手権)に、G1初優出(四国地区選手権=優出?着)もまるがめ。過去5年間で9節、まるがめに参戦し、内5節が優出と、その巧者ぶりがうかがえますね。昨年3月一般戦では優勝も決めています。G1レースに限れば3節連続予選突破中なんですよ。

 個人的に興津のレースイメージは、ガンガンとスタートを踏み込んでいく…見ていて気持ちのいい選手ですね。2011年8月、戸田SG東日本大震災復興支援競走の取材帰りの飛行機の中で彼と一緒になったことがありました。自身2度目となるSG出場ながらFを切ってしまって「ショックです…」と落胆していましたが、悪いエンジンでもスタートでなんとかしてやる!という気持ちのこもったレースっぷりは評価に値するものでした。

 今回のまるがめG1開設61周年記念競走「京極賞」で私が注目するのは、やはり興津。私のなし得なかった“準地元周年記念V”を狙ってほしいですね。(本紙評論家)

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