G1周年記念競走展望

【江戸川大賞】西山、笑顔と気合でリベンジだ

[ 2013年7月3日 06:00 ]

大舞台でリベンジに燃える西山貴浩
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 キーワードは「笑顔&気合」だ!ボートレース江戸川の「開設58周年記念G1江戸川大賞」は、4日に開幕する。4月の当地一般戦で抜群パワーに仕上げた西山貴浩(26=福岡)だが、主導権を握りながら茅原悠紀の猛烈な道中追い上げに屈して2着に敗れた。悔しい気持ちを封印し、持ち味の明るさを前面に出してG1の大舞台でリベンジに燃える。

 常に笑顔を意識している、と切り出した西山は「先輩から『お前は顔が恐いから常に笑っていろ!』と言われたので」とおどけた表情で理由を説明。「江戸川はエンジンを出すことも大事だけど、特に気合。気合があれば記念でも通用する。石渡(鉄兵)さんも『江戸川は気合』と話していた」と全国屈指の難水面を攻略する術は重々承知している…はずだった。

 5月まで江戸川で使用されたエンジンで、最近では珍しい「スーパーエース」として君臨していた49号機とコンビを組んだ西山。4月21日開幕の一般戦を【1】【1】【1】【1】【2】【2】【1】【1】という圧倒的な成績で乗り切り優勝戦1枠をゲットした。「あの49号機は出ていた。凄かった」と自画自賛するほどの仕上がり。しかし、このシリーズは水面状況が安定せず、24日が中止順延されたほどだった。迎えた27日の12R優勝戦も風速5メートルの北風(ホーム向かい風)に対して、潮回りは風向きと逆になる上げ潮。最悪の水面コンディションだった。「波風は好き。他人が嫌がることが大好き」と豪語する西山だったが、2周ホームで先頭の位置を固めて油断したのかもしれない。「茅原は諦めなかった」とまさかの逆転を許してしまったのだ。

 「あれ以来、レースに行く前に思い出す」と西山。よほど悔しかったのだろう。「あのレースがあるから必死だし、新人の頃を思い出して道中も気を抜くことなく走っている」と唇をかんだ。「(江戸川G1に)斡旋されたのはありがたい。絶対にあのレースがあったからだと思う。茅原選手も出ているし、足腰を鍛えてから行きたい」と雪辱に燃える。

 江戸川でG1初Vを果たし、その勢いでSG戦線に乗り込んでいった先輩レーサーは少なくない。「あのとき、負けた直後も顔は笑っていた」と頑なに先輩の言いつけを守っていた西山が、はち切れそうな熱い気持ちを一気に爆発させる。

◇江戸川水面

全国24場で唯一、河川を利用した水面で河口に近いため潮の流れが生じる。流れと風が同じ方向ならば対応する選手も出てくるが、スタートの起こし、初動の位置が他場とは全く異なり好き嫌いがはっきりと分かれる。

半面、研究を重ねれば最も当てやすい水面になる。上げ潮、追い風の時は1Mのターンが流れるため差しが有効。下げ潮、向かい風はダッシュ戦のまくりが本線。潮と風がぶつかり合う荒水面の時は迷わず波巧者から狙うのが基本。ほかにもいろいろな顔を持つ水面で突き詰めると実に奥が深いのだ。

◇江戸川エンジン

 初下ろしは6月。今回が4~3節目となる新しいエンジンが使用される。注目は初おろしで平尾崇典、次節に加藤知弘が連続で優出している49号機。平尾が大幅な調整なしで一節を過ごしており、このことからも素性の良さが伺える。65号機は浜村芳宏が仕上げたのか、前節の女子戦で柳沢千春が強力な回り足を披露。「落として回っても出て行く」と太鼓判を押している。ほか快速機の素質を持つのが24、61、63、67号機。特に女子戦のV機、63号機は初おろしで鈴木孝之も好感触を得ており注目機になる。

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