G1周年記念競走展望

【全日本王座決定戦】風向きがレースに多大な影響

[ 2013年6月4日 06:00 ]

 芦屋の水面は人工湖で淡水。1M側の対岸に多年草の天然葦が群生。この葦(あし)が消波装置の役目を果たし、良水面を提供している。

 風向きがレースに影響を与える。HS追い風では逃げが幅を効かせ、向かい風になると一転してまくりやまくり差しが決まるようになる。

 ホームストレッチに対し北西の風が芦屋で一番スタートが早くなる。逆に北東の風、つまり対岸からスタンドに向かって吹く斜め向かい風が“かまし風”と言われる。

 やっかいなのが斜めの風が入り風向きが一定しないこと。それでなくても芦屋は「スタートが早い」が通り相場だ。

 風向きがどれほど影響するか実例をあげ検証してみよう。直近の周年5場所、菊地孝平が優勝した56周年は3コースまくり。風向きは北東の風(向かい風)が3メートル、まくり一撃で決着が付いた。

 翌年の57周年で山下和彦、58周年では岩崎正哉が優勝。両周年とも向かい風4メートル。山下は大外6コースからまくり差し、岩崎は4カドからまくりを決めている。

 この間、3年続け向かい風の中で優勝戦が行われ、まくり、まくり差しが決まり手だった。59周年の平本真之は2コース差し、60周年の深川真二はイン逃げ。いずれも追い風水面。こうしてみると芦屋がどれだけ風向きがレースに影響するか分かるだろう。

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