G1周年記念競走展望

【全日本王座決定戦】福岡のイケメンNEWリーダー参上

[ 2013年6月4日 06:00 ]

“イケメン”ボートレーサーの投票で1位に選ばれた篠崎元
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 それ行け!篠崎元志、瓜生正義。地元、二枚看板が強力アウェー軍団を迎え撃つ。ボートレース芦屋は6月5日から10日まで連続6日間「開設61周年記念・G1全日本王座決定戦」を開催する。昨年暮れの賞金王シリーズ戦でSG初制覇、さらにBOAT RACE振興会が行った“イケメン”ボートレーサーの投票で1位に選ばれた篠崎元に期待が集まる。その勢いは今年に入っても衰えることなく多摩川周年、尼崎MB大賞を取るなど輝きは増すばかり。今節はダブルドリーム戦が組まれているが瓜生とともにドリーム戦の1号艇に選ばれている(2日目12R)。これこそが期待の表れだ。遠征陣も強力で3月総理大臣杯Vの池田浩二をはじめ当地周年V3の浜野谷憲吾や昨年の賞金王・山崎智也の姿もある。このところ勢いを増す桐生順平や前田将太らの“新鮮力”からも目が離せない。

 人気だけではない。それを上回る実力。いつの間にかトップレーサーの座に付いた。それが篠崎元志である。昨年に暮れにSG初制覇(住之江、賞金王シリーズ戦)。その勢いはいまも衰えることはない。 今年7月から適用の2013年後期勝率で8・03を残した。この勝率は全体順位で5位にランクされる。ボートレーサーにとって“8点”は勲章である。

 2011年前期に7・99の勝率を残したことがある。「あの時のことは今も忘れられない。最後のレースが大村の新鋭リーグ戦でした。4着だったら四捨五入で8点、それが5着に終わったことで7・99。ショックでした。8点と7・99ではまるで違いますからね」。と悔しがる。

 8点の重みをいやというほど知っている。今やボート界のスター選手に成長、その“ボートIQ”の高さに意義をとなえる者はいない。

 昨年3月のことだが戸田で行われる総理大臣杯を前に篠崎元志に取材した。「早くSGのタイトルが欲しい」。そう言って色紙に“SG制覇”の四文字を書いた。有言実行!9カ月が過ぎた昨年暮れ、住之江で行われた賞金王シリーズでSG初Vをやってのけた。

 次なるターゲットは地元SG制覇である。笹川賞、福岡は昨年のダービー以来、満を持しての参戦。初日に連勝し最高の滑り出しを見せた。エンジンの仕上がりも万全。予選ラスト、1着なら準優戦の1号艇が待っていた。残っていた枠が2号艇。ところがその勝負どころで痛恨のS遅れ(コンマ28)で4着。迎えた準優戦もピット離れで失敗、思惑違いの4コース戦となり4着。地元SG制覇の夢は消えた。

 振り返ると2度の失敗があった。が、過ぎてみればこれも明日につながる貴重な経験である。

 話は2年ちょっと前にさかのぼる。東日本大震災のために1カ月近くレースが中止になった。その間に肉体改造とメンタルトレーニングに取り組んだ。ジムに通いトレーナーの指導を受けた。筋肉を付けるだけのトレーニングではなく、ボートレーサーが使う筋肉を考えながらの取り組み。同時にヨガを取り入れ集中力を養った。メンタル面の強さに結び付いた。「3年目になるのですが、やったことは正解だと思っています」。結果がすべての世界。着実に成果をあげ、同じ年の10月、びわこ周年でG1初Vを飾った。

 話を今年に戻そう。3月の尼崎MB大賞をイン逃げで優勝。さらに多摩川周年でもインから押し切っている。予選を1位でクリアし、準優→優勝戦を白星で通過、万全の取り口。非の打ちどころのない内容である。

 昨年、BOAT RACE振興会が“イケメン”ボートレーサーの投票を行った。男子1372選手の中で最多票を集めたのがこの篠崎。「仕事(レース)で選ばれたわけではないので…。でもプロ選手として注目されることはうれしい」。その心境をこう語った。

 笹川賞で優勝したのが同期の新田雄史。JLCのヒーローインタビューに篠崎は井口佳典とともに現れた。「同期の雄史が優勝して良かった。でも、うらやましい」。同期から大きな刺激をもらった。これもパワーに変えてしまうことだろう。ボート王国、福岡のニューリーダー、その走りに今後も注目したい。

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