G1周年記念競走展望

【中道 名腕が斬る】平和島は「水面を読む」ことが大事

[ 2013年5月10日 06:00 ]

 私が平和島で成績が良くなったのは、インにこだわらなくなってからです。当時のエンジンは、特に平和島では「伸び足」がありました。ですからインで100メートルより深い起こしでは持ちませんでした。また、風向きが変わりやすい日はスタートでもコーナーでも気を配りました。平和島は96年3月の総理杯で優勝しました。あのときは予選トップ通過でしたが、準優1枠でカドを選択してまくり勝ち。優勝戦は3枠でインを取りました。平和島は「水面を読む」ことが大事だと考えて走っていましたよ。

 平和島開催のSGで印象に残るシリーズは3つ。偶然にも優勝者は全て関東勢でした。
 02年3月総理杯の野沢大二。徹底してダッシュ戦を選択し、どこから行けば勝てるか、野沢は分かっていたように感じました。これぞ「地元の利」。水面を知り尽くしていたからこその優勝だったと思います。

 07年3月の浜野谷憲吾。優勝戦で植木(通彦氏=現やまと学校校長)がフライングに散りましたが、浜野谷はタッチで残りました。あの当時の浜野谷はレースで攻めていました。最近は目立ちませんが、まだまだ「強い浜野谷を見たい」と願っているのは私だけではないと思います。

 07年10月ダービーの高橋勲。選考期間ラストの7月オーシャンカップ(桐生)でギリギリ勝率をクリアして地元唯一の出場にこぎつけ、ワンチャンスを「ガッツ」でモノにした見事な優勝。今シリーズでも、特に地元勢には高橋のような意地を見せてほしいですね。(本紙評論家)

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