G1周年記念競走展望

【G1全日本覇者決定戦】地元で魅せる!篠崎最強兄弟

[ 2013年5月10日 06:00 ]

「何とかベスト12に」と意気込む篠崎元志
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 新緑日増しに鮮麗―。若松ボート開設61周年記念競走「G1全日本覇者決定戦」は全国の精鋭が奥洞海に集結してあす11日に開幕する。Wドリーム戦の第1弾(11日)は(1)池田(2)松井(3)田頭(4)篠崎元(5)白井英治(6)吉田弘を選出。第2弾(12日)は(1)瓜生(2)西島(3)吉川(4)菊地(5)峰(6)今井が激突。当地記念V実績を残す坪井と重成や、中国チャンプ・平尾。戸田周年記念を制した秋山。湯川と田中の大阪コンビもV圏の実力者。地元期待の西山や川上、池永、篠崎仁、前田の新興勢力が結束して外来勢を迎え撃つ!!

 角界では若貴兄弟が一時代を築いた。プロ野球に目を移せば阪神タイガーズの新井貴浩、良太。中日ドラゴンズには堂上剛裕に直倫兄弟がいる。四角いリング、ボクシングの世界では興毅、大毅、和毅の3兄弟が輝きを増す。いやいやボート界にも最強ブラザーズは存在するのだ。

 篠崎元志、仁志。歳はひとつ違いの兄弟選手である。兄の元志は96期生として05年に若松でデビューした。初Vは07年の若松GWシリーズだった。ひとつ殻を破るとそれまでに蓄えていたマグマが噴出するがごとく視界が開ける。11年にはびわこ周年でG1初優勝。その年にはSGの大舞台で3回の優出を果たし、賞金王決定戦にも出場した。念願成就は昨年の賞金王シリーズ。インからトップSを決めての逃げでSG初優勝を手に入れた。体幹トレーニングにも意欲的に取り組み“水面下”での努力も怠らない。

 元志が実力をつけるに比例して女性ファンにも人気が急増したのはそのルックスの良さから。昨年にBOATRACE振興会が“イケメン”ボートレーサーの投票を行った。男子1372選手の中で最多票を集めたのが彼だ。実力と人気を併せ持つ元志。天は二物を与えたのか。目下、今年の獲得賞金額も池田浩二に続き2位に名を連ねる。「何とかベスト12に残れて賞金王に出場したい」と澄んだ眼差しに力がこもる。

 おっと、お兄ちゃんの話ばかりになってしまった。元志の大きな影に薄れがちにはなるけれど弟の仁志もメキメキと頭角を現している。兄の影を慕いて101期生としてやまと学校に入校した仁志は8・08とその期でNo.1の勝率を残し、卒業チャンピオンの座にも輝いた。07年に福岡でデビュー。09年に徳山で初優出。翌年の福岡新鋭リーグでデビュー3年目にして初Vを飾り、その年には徳山のMB大賞でG1での初舞台を踏んだ。今回の若松周年を前に抱負を口にする。「若松は得意とか苦手とかと言う気持ちはありません。ただ、結果は出てない気もする」そして兄弟対決に話が及ぶと「ライバル意識はないけれど、いつか兄貴と同じ大きな舞台で走りたいと思う」と大いなる胸の内を明かす。

 兄弟ともに高校時代には福岡県立香椎工業野球部で汗を流し青春を燃やした。兄の元志は昨年の9月、福岡ヤフードーム(現・福岡ヤフオクドーム)で始球式を行い歓声を浴びた。レバーを握る左手から、ここでもフルスロットルの快速球を披露したのだった。土の上から水上へと舞台は変われど好敵手としての関係は長く続く。兄弟鷹が、洞海湾の夜空に双翼の舞で浮かび上がる。

◆篠崎 元志(しのざき・もとし)1986年(昭61)2月28日生まれの27歳。福岡支部所属の96期生として05年5月に若松でデビュー。初優勝は07年4月の若松タイトル戦。G1優勝3回。昨年12月の住之江賞金王シリーズでSG初優勝。昨年の獲得賞金6203万円。1メートル68、52キロ。血液型A。

◆篠崎 仁志(しのざき・ひとし)1987年(昭62)9月22日生まれの25歳。福岡支部所属の101期生として07年11月福岡でデビュー。初優勝は10年9月の福岡新鋭リーグ戦。通算8回の優勝。直近優勝は今年4月の福岡一般戦。昨年の獲得賞金2941万円。1メートル67、54キロ。血液型A。

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