G1周年記念競走展望

【G1大渦大賞】山崎 愛妻の地元で躍動

[ 2013年4月3日 06:00 ]

妻の横西奏恵三と笑顔で握手する山崎智也
Photo By スポニチ

 新年度1発目のG1に鳴門が選ばれた。「G1大渦大賞」は豪華メンバーで4日に開幕する。その中では山崎智也に注目したい。鳴門は妻で元選手の横西奏恵さんのホームプール。貴公子の凱旋は大きな話題となる。愛妻の地元で躍動したい。話題と言えば女子3人の参戦もそうだ。女子が男子を倒すシーンがボートレースの醍醐味。三浦永理、日高逸子、平高奈菜の“なでしこサンフレッチェ”が痛快なレースで男子をなぎ倒してくれるかもよ!

 あの感動は忘れない。欲しくて仕方なかった黄金ヘルメット。「勝ったら選手を辞めていい」とまで言わせた代物だ。それを昨年、ついに山崎が手にした。ファイナルの1号艇は仕上がり万全の松井繁。誰もが松井優勝だと思っただろう。そんな思いを打ち砕く圧巻のパフォーマンスを山崎は用意していた。4カドから伸びて、1Mは俊敏捲り差し。敗れた松井が「ええターンされた」と舌を巻いたのも無理ない。

 そんな山崎をピットで出迎えたのが、開幕直前に引退届を出した横西さんだった。ウイニングランを終えた山崎の元へ、いの一番に飛び込み。人目をはばからず抱き合った。ここ数年のボートレース界でベストシーンと言っても過言ではない。

 「本当に優勝するとは思いませんでした。お父さんすごい!」と横西さんは回顧した。まさか優勝とは…これが横西さん正直な胸の内。一方で当の山崎は全く違った考えだったのがおもしろい。

 「朝から感じが良かったので、優勝の可能性は8割ぐらいあるなって思ってましたよ(笑い)」

 振り返れば自信満々のレースだったわけだ。 

 そして迎えた2013年も山崎の進撃は続いている。1月の関東地区選手権を制覇。2006年以来となるG1Vを果たしたのだ(SGは賞金王シリーズを2回優勝)。賞金王制覇で吹っ切れたか、メが変わったのか。先の総理大臣杯でも、優勝戦に駒を進めている。

 だからこそ、新年度1発目の鳴門G1でも活躍が楽しみでならない。以前は鳴門G1に呼ばれることは多くなかった。それが横西さんとの結婚により、一昨年、昨年、今年と連続での“招待”。かつて山崎自身も「もう地元ですから」と発言したこともあるように、普段以上の力を発揮するだろう。元々、G1も勝っているし、相性自体は悪くない水面でもある。

 「あんなに気持ちいいことを味わえるのはこの仕事しかないでしょ」

 あの感動を再び味わいたい。だから山崎も今年も奮闘する。横西さんを育てた水面で賞金をウンと上積みするつもりだ。

◆山崎 智也(やまざき・ともや)1974(昭49)年3月11日生まれの38歳。群馬支部。92年11月に71期生としてデビュー。SG7勝、G1で21勝を誇るボートレース界のトップレーサー。昨年は長年の悲願だった賞金王決定戦も制覇した。

続きを表示

この記事のフォト

バックナンバー

もっと見る