藤井正弘の血統トピック

アウォーディー 母ヘヴンリーの遺伝力強烈

[ 2016年12月1日 05:30 ]

 ダート転向後6連勝の快進撃を続けるアウォーディーと国内G1初出走となるラニは3歳違いの兄弟。この兄弟の間には、1歳違いの兄アウォーディーのコンバートを後押ししたと思われる5歳牝馬アムールブリエもいる。今年3月には、まず2日にアムールブリエが川崎のエンプレス杯で連覇を果たし、17日の名古屋大賞典をアウォーディーが2秒4差で大楽勝、26日のUAEダービーでラニがグレード初制覇と、3きょうだいで月間重賞3勝という空前絶後の快挙を成し遂げている。驚くべきは母ヘヴンリーロマンスの遺伝力の精度の高さである。

 アムールブリエの父スマートストライク、ラニの父タピットはダートの本場北米のチャンピオンサイヤーだが、アウォーディーの父ジャングルポケットは09年春の交配当時、ダートグレードの勝ち馬はおろか、入着馬もいない典型的な芝専用サイヤーだった。“ダートグレード3きょうだい”の資質は、エアグルーヴ以来となる天皇賞制覇を果たしたこの名牝に負うところが大きいと考えられる。その父サンデーサイレンスのダート血脈としての発展形といえるだろう。

 ちなみにダートG1における“きょうだい対決”は、12年ジャパンCダートのミラクルレジェンド(6着)、ローマンレジェンド(4着)姉弟以来。この時は“弟”が先着したが、さて今回は?(サラブレッド血統センター)

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