藤井正弘の血統トピック

国産父系の再生産システム完全確立

[ 2016年7月20日 05:30 ]

 夏季恒例となった短期集中連載・ファーストシーズンサイヤー紹介。第1回は統計面を軸に本年度のルーキーたちの全体像をつかんでみたい。

 現2歳が国内供用による初世代となる種牡馬=ファーストシーズンサイヤーは、統計資料が検証可能な1973年以降で最少だった前年比4頭増の25頭。産駒数の合計は1203頭で、こちらは前年比416頭増となった。現2歳世代血統登録産駒の総数6854頭に占める割合は17.6%。07年の17.5%を0.1%上回り、直近10年で最高の占有率を記録した。ちなみに今週は函館2歳Sにスズカコーズウェイ産駒とストリートセンス産駒、中京2歳Sにはアイルハヴアナザー産駒、タートルボウル産駒、ディープブリランテ産駒がエントリー。量的な優位に見合った産駒の立ち上がりの早さからも、今世紀最大級の“当たり年”となる可能性がある。

 血統面で特徴的なのはディープインパクト、キングカメハメハ、マンハッタンカフェという歴代チャンピオンサイヤーの“2代目”が勢ぞろいしたこと。サンデーサイレンス系では他にゴールドアリュール、ジェニュイン、スペシャルウィークの後継種牡馬も初産駒をデビューさせる。これら“父内国産新種牡馬”は全体の半分に近い12頭。サンデーサイレンス系を中心とした国産父系の再生産システムが完全に確立されたといえるだろう。(サラブレッド血統センター)

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