藤井正弘の血統トピック

トロヴァオ父子2代制覇へ負けられない

[ 2016年6月8日 05:30 ]

 8日に大井競馬場で行われる「第62回東京ダービー」は南関東4競馬場所属の3歳最強馬決定戦。2冠を狙うタービランス以下の羽田盃組に、東京プリンセス賞で上位を占めた強力牝馬トリオ、さらには大井所属馬としての初戦となるバルダッサーレの元JRA勢など、多彩なルートから集結した精鋭15頭が、グレード外競走としては国内最高額の1着賞金4200万円を懸けて激突する。

 血統面から注目したいのは羽田盃2着の地元大井のトロヴァオ。先月27日、種付け中の事故によって14歳の若さで不慮の死を遂げたカネヒキリの“遺児”である。

 その破壊的なパフォーマンスから同期同オーナーの日本ダービー馬になぞらえて“砂のディープインパクト”といわれた父のカネヒキリは、大井2000メートルでG1を4戦して2勝2着2回のパーフェクト連対だった。G1初勝利となった05年のジャパンダートダービーは4馬身差の圧勝。屈腱炎による2年以上の長期休養から復活し、ヴァーミリアンとの一騎打ちを制した08年の東京大賞典も印象深い。息子の方も1Fの距離延長は大歓迎だろう。

 東京ダービーの1、2着馬にはジャパンダートダービー(7月13日)の優先出走権が与えられる。12年越しの“父子2代制覇”に挑むためにも負けられない一戦だ。 (サラブレッド血統センター)

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