藤井正弘の血統トピック

シンハライト 母の仇敵シーザリオの追い込み再現

[ 2016年5月19日 05:30 ]

 シンハライトは無念のリタイアとなった桜花賞馬ジュエラー以外に先着を許していない桜花賞2着馬。過去の例をさかのぼると05年の桜花賞2着馬シーザリオにピタリと立ち位置が重なる。デビュー3連勝で臨んだ桜花賞でラインクラフトに頭差及ばなかったシーザリオだが、ラインクラフトがNHKマイルCを選択したことでオークスでは単勝1・5倍の断然人気となった。今回のシンハライトも恐らく同様の圧倒的な支持を集めることになるだろう。

 母のシンハリーズは芝9ハロンの米G1・デルマーオークス優勝馬。他に芝10ハロンの米G1・アメリカンオークス3着の実績もある。ちなみにこの時の優勝馬が、現地実況が“ジャパニーズスーパースター!”と絶叫したシーザリオだった。この母は07年11月のキーンランド繁殖セールで190万ドルの高額で吉田勝己氏に落札され、ノーザンファームでシーザリオと再会を果たすことになる。奇縁に結ばれたライバル関係は生産部門で継続中というわけだ。

 新馬、ラジオNIKKEI杯2歳Sを連勝した全兄アダムスピークを筆頭に兄姉3頭はいずれも芝2000メートルで勝ち鞍がある。母の父シングスピールもジャパンC優勝馬という“東京2400メートルG1配合”。11年前、母の仇敵(きゅうてき)が決めた神業的な追い込みを再現する可能性は大きい。 (サラブレッド血統センター)

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