藤井正弘の血統トピック

5歳を迎えたハーツ産駒“爆発”

[ 2016年5月12日 05:30 ]

 昨年秋の戦列復帰後は5戦3勝2着2回と、パーフェクト連対を継続中のマジックタイム。同じハーツクライ産駒のヌーヴォレコルトが優勝した2年前のオークスでも6番人気(13着)の支持を集めるなど、元々世代トップクラスの潜在能力を見込まれていた素質馬である。

 11年生まれのハーツクライ産駒は、前記ヌーヴォレコルトとワンアンドオンリーで東京2400メートルのクラシックを独占した一方で、牡牝の大物に続く重賞勝ち馬がなかなか現れなかった。ところが今年に入って状況は一転。ダートグレードの佐賀記念を制したストロングサウザーを皮切りに、中山牝馬Sのシュンドルボン(ヴィクトリアマイルに出走予定)、そしてダービー卿CTの本馬と、5歳を迎えた途端、連鎖反応のように重賞タイトルを手に入れている。ビンテージ世代のDNAに仕込まれていた“時限爆弾”といえるかもしれない。

 「母の父ブライアンズタイム」は最新の皐月賞馬ディーマジェスティによって、大舞台での決定力を再認識させたばかり。この母の父は、皐月賞の翌週の福島牝馬Sでもマコトブリジャールの重賞初制覇をアシストし、母の父として4月だけで重賞3勝の固め打ちを記録している。血統的なバイオリズムは最高潮。2年ぶりのG1ステージでも臆することはない。 (サラブレッド血統センター)

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