藤井正弘の血統トピック

サトノダイヤモンド エリートと一線を画す生命力

[ 2016年4月14日 05:30 ]

 サトノダイヤモンドは13年JRAセレクトセールの当歳セッションにおいて里見治氏に2億3000万円で落札された。同セールでは2億4000万円の値がついた「アゼリの2013」に次ぐ2番目の高値で、すなわち、この世代に生まれた6836頭のサラブレッドの中で2番目の高額馬ということになる。ちなみに「アゼリの2013」は、のちのロイカバード。昨秋の新馬で2着に下した相手である。

 母のマルペンサはアルゼンチンのG1ウイナー。G1・3勝の内訳は芝2000メートルのアルゼンチン銀杯、ダート2000メートルのフィルベルトレレナ大賞典とクリアドレス大賞典というスピードの持続力に優れた中距離馬だった。仏2歳G1モルニ賞の勝ち馬であるその父オルペンは、授精能力に難のあったBCマイル連覇の名馬ルアーが残した事実上唯一の後継種牡馬。純粋培養のエリートとは一線を画す生命力を兼ね備えた良血馬といえるだろう。

 過去のG1優勝馬で最も高価だったのは、同じ2億3000万円で取引されたエリザベス女王杯連覇のアドマイヤグルーヴ。本馬が皐月賞を勝てば、史上最高価格のクラシックウイナーとなる。父のディープインパクトにとっては過去5世代で2着2回、3着2回と、手が届きそうで届かない牡馬第1冠だが、今年こそは“2代制覇”のシーンが見られそうだ。 (サラブレッド血統センター)

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