藤井正弘の血統トピック

“死んだ種牡馬の子”共同通信杯でも走る!?

[ 2016年2月10日 05:30 ]

 公益財団法人ジャパン・スタッドブック・インターナショナルのウェブサイトに昨年度の供用停止種牡馬一覧がアップされた。

 1月31日までに同財団に供用停止の報告があった種牡馬はサラブレッド21頭、アラブ1頭の計22頭。“孫”のアメリカンファラオの米3冠制覇が母国への再トレードのトリガーとなったエンパイアメーカー、2年目の種付けシーズン終了後にハンガリー経由でトルコに新天地を求めたディープインパクト後継のスマートロビンは、供用停止の事由が「輸出」だが、この2頭以外の馬は「死亡」、あるいは「用途変更」で種牡馬生活にピリオドを打った。中にはアジュディケーティング、ステイゴールド、スズカマンボといったG1サイヤーも含まれている。来週のフェブラリーSで人気を集めることになるノンコノユメの父トワイニングも昨年6月28日に24歳で急死した。ノンコノユメはこの父にとって初のG1級勝ち馬。「死んだ種牡馬の子は走る」という俗説を体現していたわけだ。

 ちなみに、事務的な手違いなのか前出の一覧に名がないが09年のチャンピオンサイヤー、マンハッタンカフェも昨年8月13日に死亡している。同馬の産駒も父の死後にひときわ存在感を増してきた印象。今週の共同通信杯に出走予定のイモータルとリスペクトアースには、09年生世代のラブイズブーシェを最後に3世代の空白が生じている牡馬のJRA重賞勝ちを期待できるかもしれない。 (サラブレッド血統センター)

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