藤井正弘の血統トピック

“指定席”奪い返したディープの3歳世代

[ 2016年2月3日 05:30 ]

 「ついにディープインパクトがリーディングの首位に躍り出た」と書くと、いぶかる向きも多いだろう。

 1月31日現在の総合リーディングは、ダートグレードの川崎記念を含む月間グレード3勝を挙げたキングカメハメハが、獲得賞金5億3973万7000円でトップ。これをディープインパクトが約1億1400万円差で追いかけるという展開は例年通りで、ほとんど産駒の出番がないダート競馬の比重が増える厳寒期は、種牡馬ディープインパクトの休眠期でもあるからだ。

 それでもディープインパクトが先週末の競馬で「リーディング首位に躍り出た」のは紛れもない事実。タネを明かせば2013年生まれの「世代別累計リーディング」。梅花賞のアドマイヤダイオウ、セントポーリア賞のサトノキングダムと、東西の3歳500万特別を産駒が制したことで、明け3歳世代の累計獲得賞金は7億6945万9000円となり、わずか70万円ほどの差ながらダイワメジャーを抜いて“指定席”を奪還したのである。

 今週のディープインパクト産駒は、きさらぎ賞にサトノダイヤモンド、レプランシュ、ロイカバードの2勝馬3頭が出走予定。エルフィンSにもリセエンヌ、ワントゥワンの重賞4着馬を含む4頭がエントリーしている。種牡馬デビュー以来、初めて2歳リーディングを明け渡した現3歳は、名を捨てて実を取った世代といえるのかもしれない。クラシックに向けての大攻勢が始まりそうだ。 (サラブレッド血統センター)

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