藤井正弘の血統トピック

北米クラシックの神髄ドライヴ 父系の“多様性”継承したベーカバド

[ 2015年8月5日 05:30 ]

 【新種牡馬紹介 カジノドライヴ】2005年生まれ 栗毛 米国産 父マインシャフト、母ベターザンオナー(母の父デピュティミニスター)日、北米、UAEで11戦4勝 主な勝ち鞍はピーターパンS 2歳産駒127頭。

 本場アメリカのダートグレード競走(G2ピーターパンS)を制した史上唯一の日本調教馬。兄ジャジル、姉ラグズトゥリッチズに続く“3きょうだい制覇”が有力視されたベルモントSを取り消したのは惜しまれるが、フェブラリーSの同タイム2着など、国内戦でも大器の片りんは見せた。北米クラシック血統の塊ともいえる良血で、リーズナブルな種付料(50万円)も相まって産駒数は今年のルーキーサイヤーで最多。芝の新馬を勝ったコウエイテンマは遺伝的イレギュラーだろう。切れよりもパワーを要求されるダートに向く。

 【新種牡馬紹介 ベーカバド】2007年生まれ 鹿毛 仏国産 父ケープクロス、母ベカラ(母の父クリス)仏、北米、で11戦6勝 主な勝ち鞍はパリ大賞典、ニエル賞 2歳産駒78頭。

 フランス2400メートル路線の一流馬で、地の利はあったにせよ同期のヴィクトワールピサにはニエル賞、凱旋門賞とも先着している。現役時はマイラーだった父だが、種牡馬としてはシーザスターズ、ウィジャボード、そして最新の“世界王者”ゴールデンホーンと、英クラシックホースを連発。ダンチヒ父系特有の引き出しの多さは本馬にも受け継がれているようで、産駒のJRA初勝利は2日の札幌ダート1700メートル新馬戦(エネスク)だった。交配牝馬の特質を生かすタイプでもあり、多彩なジャンルで上級馬を出す可能性がある。

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