藤井正弘の血統トピック

“サイヤー”キンカメあるぞ4年ぶり奪還

[ 2015年7月1日 05:30 ]

 キングカメハメハ産駒のラブリーデイがディープインパクト産駒のデニムアンドルビー、ショウナンパンドラを従えてG1初制覇を果たした宝塚記念は、血統的な観点からも2015年上半期の競馬を象徴する決着だったといえる。

 残念ながら骨折休養入りが発表されたドゥラメンテの皐月賞と日本ダービー、レッツゴードンキの桜花賞、ダート部門のホッコータルマエの川崎記念と帝王賞、そしてラブリーデイの宝塚記念でキングカメハメハ産駒のG1勝利は本年6つ目。6月28日現在の賞金順リーディングではディープインパクトに次ぐ第2位の種牡馬キングカメハメハだが、勝ち馬頭数160、勝利数241はいずれも最多。獲得賞金の31億9307万円(数字はすべて中央、地方の合算)ともども、上半期終了時点におけるキャリアハイとなっている。重賞アーニングインデックスの3・04もディープインパクトの2・83をしのぎ、リーディングベスト10の種牡馬ではトップ。総合的な評価では文句なしに上半期の“MVPサイヤー”と認定できるだろう。

 ちなみにリーディング首位のディープインパクトとの差は現在、約1億5000万円。G1レースのワンパンチで逆転可能な射程圏をキープしている。前半戦だけで重賞4勝というラブリーデイに見る通り、タフで固め打ちが利くのが産駒の特質。ドゥラメンテの戦線離脱は何とも痛いが、4年ぶりの王座奪還の可能性はまだ消えていない。 (サラブレッド血統センター)

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