藤井正弘の血統トピック

大井・京浜盃で注目、ルースリンドの血

[ 2015年3月18日 05:30 ]

 18日に大井競馬場で行われる京浜盃は南関東牡馬クラシックの行方を占う重要な前哨戦。今年も3歳世代の重賞勝ち馬が一堂に会した。中でも3歳初戦を迎える船橋のストゥディウムは、重賞連勝中という実績もさることながら、血統的にも注目すべき存在だ。

 ストゥディウムの父ルースリンドはエルコンドルパサーの初年度産駒。中央未勝利で転出した船橋で素質を開花させ、2度の東京記念制覇など、南関東地区の重賞戦線で息長く活躍し、早世したエルコンドルパサーの貴重な後継として11年に静内のアロースタッドで種牡馬入りした。現3歳となる初世代の血統登録産駒はわずかに8頭。以後3年間は産駒ゼロで、現在のけい養地である浦河のイーストスタッドに移ってからも開店休業状態だったのだが、今年はストゥディウムの活躍が呼び水となって交配オファーがありそうだ。今回の京浜盃にはもう1頭、2勝馬ロイドのエントリーもある。重賞2頭出しは現役時代と変わらない特異な南関東属性のたまものだろう。

 母のルナマリアはニジンスキー3×3の超近交馬で、その父ジェイドロバリーはエルコンドルパサーの芸術的ともいえるインブリードの中核となった名繁殖スペシャルの孫。この緻密にしてマニアックな配合面の仕掛けによって、種牡馬ルースリンドの潜在能力が最大限に引き出されたと考えられる。平和賞、ハイセイコー記念に続く重賞V3でクラシック戦線を束ねてしまう可能性は十分にある。(サラブレッド血統センター)

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