藤井正弘の血統トピック

持ち込み馬サトノクラウン ダービー制覇の“周期”到来

[ 2015年3月11日 05:30 ]

 弥生賞を完勝したサトノクラウンは、あらゆる面で興味深い血統の馬だ。

 英G1チェヴァリーパークS勝ち馬ライトニングパールの3歳違いの全弟であるサトノクラウンは、母ジョコンダ2の胎内にいる状態で輸入された持ち込み馬。1歳時の13年セレクトセールで5800万円(税別)で落札された。父のマルジュは、その父ラストタイクーン同様に南北両半球で大成功を収めたシャトルサイヤーで、日本でも99年ジャパンC2着のインディジェナスの父として、11年の桜花賞馬マルセリーナの母の父として実績を残している。ちなみにインディジェナスと同じ初年度(93年)産駒でヴェルメイユ賞とヨークシャーオークスに勝ったマイエマは、何とサトノクラウンの4代母パトの子。種牡馬マルジュの驚異的な活力とともに、この牝系との世代を超越した好相性の証明といえるだろう。

 母の父ロッシーニは仏G2ロベールパパン賞勝ちのスプリンター。種牡馬としては無名に近いが、北米チャンピオンサイヤー・イルーシヴクオリティの半弟という良血である。昨年の阪神ジュベナイルフィリーズを制したショウナンアデラは母の父がイルーシヴクオリティだった。兄弟同時に日本で母の父としてブレークというのも面白い。

 96年フサイチコンコルド、04年キングカメハメハ、10年エイシンフラッシュ…持ち込みの日本ダービー馬は、非サンデーサイレンス系のガス抜きのように周期的に現れる。そろそろ機が熟した感じだ。 (サラブレッド血統センター)

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