藤井正弘の血統トピック

ダート“本流”産駒ゴールデン 納得の世代超越

[ 2015年2月25日 05:30 ]

 22日のヒヤシンスSで3連勝を飾ったゴールデンバローズは相当な大物だ。

 過去10年のヒヤシンスS優勝馬の勝ちタイムは、例年、ほぼ同じ条件で行われるフェブラリーSより1秒以上遅かった。2月の時点で3歳馬は古馬に対して7キロのアローワンス(減量)が認められているのだから、この差は当然といえる。ところがゴールデンバローズの1分37秒1は、コパノリッキーの1分36秒3と0秒8差。上がり35秒9はフェブラリーS出走全馬との比較でもローマンレジェンドの35秒8に次ぐ速さだった。数字の上ではすでに世代を超越した古馬G1レベルに肉薄しているのである。

 ゴールデンバローズの父タピットは昨年、北米レコードとなる1680万7001ドル(約20億1684万円)の獲得賞金でチャンピオンサイヤーとなり、本年度の種付料は30万ドル(約3600万円)まで跳ね上がった。ダートの本場アメリカで現在、最高峰に位置する種牡馬だ。母の父マヤコフスキーは無名に近いが、父のタピットと同じシアトルスルーのひ孫。つまりゴールデンバローズには、今なお史上最強説もある米3冠馬の血脈が4×5でインブリードされていることになる。

 ちなみに同じタピット産駒で、北米エース格としてドバイワールドCに名乗りを上げたコンスティチューションもシアトルスルーの4×5。しばしば竜頭蛇尾に終わる外国産馬だが、配合的にも最先端のダート血統といえる。選出待ちのUAEダービーでも勝機は十分にあるだろう。 (サラブレッド血統センター)

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