藤井正弘の血統トピック

“近親交配”ストーン異色の頑健さ

[ 2015年1月28日 05:30 ]

 28日の川崎記念で本年のG1戦線が幕を開ける。前2年は蚊帳の外だった地方勢も今年は強力で、東京大賞典の3着馬サミットストーン、4着馬ハッピースプリントがそろってエントリーしてきた。特にNARグランプリ2014の年度代表馬に選出された前者の充実ぶりは素晴らしい。明けて7歳、通算47戦目を迎える大ベテランながら、今がまさに最盛期といった印象である。

 ちなみにサミットストーンの血統構成には驚くべき仕掛けが施されている。母タイキアプローズの父であり、父ロージズインメイの父系祖父でもあるというデヴィルズバッグの強力なインブリード(3×2)だ。デヴィルズバッグはサンデーサイレンスと同じヘイロー直子。先日、当コラムで取り上げたノットフォーマルはサンデーサイレンスの3×3だったが、さらにその上を行く過激な配合なのである。にもかかわらず、550キロを超す巨体は前記の通り極めて頑健で、近親交配の弊害とされる体質的な弱さとは無縁。もしかするとヘイロー血脈には、相当際どいインブリードにも耐えられる免疫が備わっているのかもしれない。

 同じロージズインメイ産駒のドリームバレンチノは7歳の昨年、JBCスプリントでG1初制覇を果たした。4歳後半から本格化して5歳春にドバイワールドCを制したこの父は、産駒にも晩成属性を伝える面がある。ドバイを目指す大本命ホッコータルマエも油断は禁物だろう。(サラブレッド血統センター)

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