藤井正弘の血統トピック

ディープ産駒6頭 上位独占か総崩れか

[ 2014年10月29日 05:30 ]

 ジェンティルドンナ、デニムアンドルビー、マーティンボロ、サトノノブレス、ディサイファ、スピルバーグ。今回の天皇賞・秋の出走可能ラインには、6頭のディープインパクト産駒が名を連ねている。フルゲート18頭のうち3分の1を“占拠”することになるわけだ。

 ちなみに天皇賞・秋における同一種牡馬産駒の多頭数出しは、05年のサンデーサイレンスによる10頭出しが最多。この時はヘヴンリーロマンス→ゼンノロブロイ→ダンスインザムードの“ワン・ツー・スリー”だった。サンデーサイレンス産駒は前年の04年も7頭出しで、ゼンノロブロイ→ダンスインザムード→アドマイヤグルーヴが1着から3着を独占。6頭出しだった06年はダイワメジャー→スウィフトカレントのワン・ツー。この3年間、非サンデーサイレンス産駒で馬券の対象になったのは、06年3着のエンドスウィープ産駒のアドマイヤムーン(母の父サンデーサイレンス)だけだったのだから恐れ入る。

 サンデーサイレンスの“撤退”とともに血統的無政府状態を迎えたのは他のG1も同様だが、秋の天皇賞の場合は特に支配力が強大だった分、その反動も大きかった感じ。07年以降の7年で、複数の連対馬を出した種牡馬はアグネスタキオン(07年2着アグネスアーク、08年2着ダイワスカーレット)しかいない。前記06年を最後にワンツーどころか、同じ種牡馬の産駒が馬券に絡んだことも08年のアグネスタキオン産駒(2着ダイワスカーレットと3着ディープスカイ)のみである。

 種牡馬ディープインパクトが既に偉大な父の域まで到達しているとすれば、8年ぶりの“ワン・ツー”濃厚だが、その一方で昨年の2着馬ジェンティルドンナを含めて、6頭全馬が近年の血統データ的には危険な?リピーターともいえる。上位独占か総崩れか。両極端の結末を想定しておくべきかもしれない。

(サラブレッド血統センター)

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