藤井正弘の血統トピック

ルーキー産駒に現れた有望株

[ 2014年10月8日 05:30 ]

 4回阪神開催では芝、ダート、それぞれのジャンルで秒単位の圧勝劇を演じた2歳の有望株が現れた。いずれも初世代が今年デビューしたルーキーサイヤーの産駒である。

 日仏でビッグイベントのあった5日の第2レース、芝2000メートルの未勝利を10馬身差で大勝したクラージュシチーはハービンジャー産駒。アグネスタキオンのレコードに0秒3差まで迫った2分1秒1のタイムも優秀で、少々気が早いが、母リボンシチーのいとこにあたる2冠馬メイショウサムソン級の期待もかけたくなる。ちなみにこの馬を新潟の新馬で負かしたのが今週のいちょうSに出走予定のネオルミエールだ。

 ハービンジャー産駒はクラージュシチーを含め、先週末時点で9頭が勝ち上がっている。そのうち7頭までが「母の父サンデーサイレンス」で、残る2頭の母の父はフジキセキとアグネスタキオン。社台スタリオンステーションはついに、サンデーサイレンス系牝馬にとって究極のハーレムキング導入に成功したのかもしれない。

 9月27日、ダート1800メートルの新馬では、アドマイヤオーラ産駒のクロスクリーガーが2着馬を2秒1の大差でちぎった。1分54秒7のタイムは目立たないが、ラスト1F12秒0の爆発力は特筆もの。ブライアンズタイム産駒の母ビッグクィーンは日経賞勝ちのユキノサンロイヤルの半妹で、血統的には芝コースでの可能性も潜在している。今年の種付けは23頭にとどまった父だが、この分なら来年の交配数はV字回復が見込めそうだ。

(サラブレッド血統センター)

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