藤井正弘の血統トピック

ダート戦線「記録に残る名馬」

[ 2014年8月6日 05:30 ]

 ◆ヴァーミリアン 2002年生まれ 黒鹿毛 早来産 父エルコンドルパサー、母スカーレットレディ(母の父サンデーサイレンス) 中央・地方・UAEで34戦15勝 主な勝ち鞍はジャパンCダート、フェブラリーS、東京大賞典、帝王賞、JBCクラシック(3回)、川崎記念(2回) 2歳産駒119頭。

 武豊騎手でラジオたんぱ杯2歳Sを制して注目されたが、鞍上がバッティングするディープインパクトの台頭もあってクラシック戦線では振るわず、3歳秋に早々と芝路線から完全撤退。武豊騎手とのコンビ再結成によってダート馬としての素質を開花させ、以後8歳時まで5年にわたってダートグレードの主役を張った。JCダートで樹立した東京ダート2100メートル2分6秒7のレコードは、現在の番組編成では更新不可能だろう。他にも7年連続のグレード勝ち、ダートG1・9勝、ダートコースでの通算獲得賞金11億1631万500円という日本記録を保持。文字通り「記録に残る」名馬である。

 エルコンドルパサーの後継種牡馬は、同じく本年産駒デビューのルースリンド、サクラオリオンで打ち止め。交配数から考えれば、父系の命脈はこの馬の成否に握られている。先週の札幌で圧勝したノブワイルドなど、取りあえずダートでの強さは種牡馬としても変わりないが、ダート専用と決めてかかるのは血統的にも危険。サンデーサイレンス血脈を軸としたインブリード(近親交配)がうまく機能すれば、芝でも重賞級を期待できる。

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