藤井正弘の血統トピック

ビッグ5が支配する新種牡馬リーディング

[ 2014年7月16日 05:30 ]

 夏季集中連載・ファーストシーズンサイヤー紹介の第1回は、各種統計から今年の新種牡馬の全体像を把握してみよう。

 国内供用による血統登録産駒が北半球暦の2014年に初めて2歳となった種牡馬=本年度のファーストシーズンサイヤーは計28頭。これは手元に統計記録が残っている1973年以降で最も少ない。だが各種牡馬の産駒数の総計862頭は前年比85頭増、過去最少だった2年前より230頭も多い。少数精鋭主義が定着したということだろう。

 血統面の特色はサンデーサイレンスの代替わり。2001年以降、13年連続で最多だった直子はマルカシェンク、グランデグロリアの2頭にとどまり、ヴァーミリアンら3頭の後継を擁するエルコンドルパサーに最大派閥の座を譲った。その一方、父の父として送り出した「孫世代種牡馬」はフジキセキ後継のカネヒキリ、キンシャサノキセキはじめ5頭を数える。父系としてのサンデーサイレンス系の支配力にかげりはない。

 種牡馬別産駒数ではエンパイアメーカーの164頭が最多で、次いでハービンジャーの146頭と、輸入種牡馬が1、2位を占めた。サンデーサイレンス系繁殖牝馬のネズミ算的な増加に対し、交配可能な非サンデーサイレンス系種牡馬を海外に求めるのは必然といえる。以下、前出のヴァーミリアン119頭、カネヒキリ99頭、キンシャサノキセキ91頭と続く。新種牡馬リーディングは、この“ビッグ5”の争いに絞られそうだ。 (サラブレッド血統センター)

続きを表示

バックナンバー

もっと見る