藤井正弘の血統トピック

ハッピーが継ぐ3冠血脈

[ 2014年7月9日 05:30 ]

 9日のジャパンダートダービーは南関東3冠の最終戦に位置づけられるレース。第1冠が羽田盃、第2冠が東京ダービーという現行スタイルが定着した02年以降は、2冠馬の03年のナイキアディライト(3着)、11年のクラーベセクレタ(3位入線後失格)がJRA勢の分厚い壁に阻まれてきた(05年シーチャリオットは不出走)が、どうやら今年は史上8頭目となる“南関3冠馬”誕生のシーンに立ち会うことができそうだ。道営時代を含めてダートでは8戦不敗のハッピースプリント。昨年は2歳にしてNARグランプリ年度代表馬に選出された大器である。

 父のアッミラーレは、ダートのスペシャリストとして成功した初めてのサンデーサイレンス産駒。重賞には手が届かなかったものの、オープン特別を2勝、欅Sでは東京1400メートルのレコードを樹立した。以前にも書いたが、非常に堅実な種牡馬で、産駒の通算勝ち上がり率は78%。現3歳世代は出走18頭中、実に16頭までが勝ち馬となっているビンテージ世代でもある。

 ちなみにハッピースプリントの祖母ウィスパードシークレットは、牝馬ながらカナダ3冠(クイーンズプレート、プリンスオブウェールズS、ブリーダーズS)を制し、ブリーダーズCディスタフにも優勝した名牝ダンススマートリーの半妹。その父セクレタリアトは、米3冠すべてをレコードタイムで楽勝した史上9頭目にして最強のトリプルクラウンである。血統的な“3冠濃度”の高さからも快挙達成の公算大だ。(サラブレッド血統センター)

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