藤井正弘の血統トピック

トーセンスターダムはシンザン型の名馬か

[ 2014年2月12日 05:30 ]

 逃げ込みを図るバンドワゴンを最後の一完歩で差し切ったきさらぎ賞のトーセンスターダム。ディープインパクト産駒は意外に連戦連勝型が少なく、デビュー3連勝でのグレード制覇はフレールジャック(ラジオNIKKEI賞)以来2頭目となる。3勝いずれも2着馬とタイム差なしのパフォーマンスをどう評価するかは見解の分かれるところだろうが、個人的には常に必要最小限の着差で勝ち切るというシンザン型名馬の可能性を感じている。マイル部門のミッキーアイルともども、ディープインパクト第4世代に現れた進化型といえるかもしれない。

 惜敗したバンドワゴンも底が割れたと判断するのは早計だろう。勝負はあくまでも現時点での完成度の差が出たもの。春の天皇賞を逃げ切ったイングランディーレしかり、シンガポールで国際G1を制したシャドウゲイトしかりで、ホワイトマズル産駒は奔放な先行型が大物に育つ。距離延長も問題のない血統だ。

 ちなみにきさらぎ賞で人気を分けた2頭は、どちらもセレクトセール出身馬。バンドワゴンは11年の当歳セリで1200万円(税別)という掘り出し物だった。一方のトーセンスターダムは12年の1歳セリで2億5000万円の値がついた歴代ランキング級の高馬で、スポニチ賞ステイヤーズSとダイヤモンドSに勝ったフォゲッタブル(2億4500万円=07年セレクトセール1歳)に代わって国内史上最高価格のグレードウイナーとなっている。

(サラブレッド血統センター)

続きを表示

バックナンバー

もっと見る