藤井正弘の血統トピック

「母の母」ドーベルに注目

[ 2014年1月15日 05:30 ]

 有馬記念ウイークのホープフルSの重賞格上げで来年度は立ち位置が微妙になりそうな京成杯だが、今年は皐月賞コースの経験値を求めて東西、そして地方のホープが集結した。

 現時点では抽選対象の1勝馬にも魅力的な素材が多い。休み明けの前走でコース実績をつくったショウナンラグーンもそんな1頭。父シンボリクリスエス、母の父マンハッタンカフェという“グランプリホース配合”らしくというべきか、有馬記念前日の未勝利を9番人気で鮮やかに差し切った馬だ。ちなみに京成杯の主役級と目されるエアアンセムも同じシンボリクリスエス産駒。こちらも有馬記念当日のホープフルS勝ちは8番人気での大駆けだった。

 ショウナンラグーンの血統で注目しておきたいのが祖母のメジロドーベル。オークス、秋華賞、エリザベス女王杯連覇、阪神3歳牝馬Sと、計5つのG1を制して96年から99年まで4年連続でJRA賞の牝馬部門賞を受賞した名牝である。

 母としては現状、少々期待外れと言わざるを得ないメジロドーベルだが、孫の代からはショウナンラグーンの他にもツクバアスナロ(菜の花賞に登録)、ライアンセンスと、明け3歳の同世代に計3頭のJRA2歳戦勝ち馬が出ている。これはダイナカール、ウインドインハーヘア、クラフティワイフといった名繁殖も成し得ていない“祖母”としての隠れた大記録。「母の父メジロマックイーン」の次は「母の母メジロドーベル」が真価を発揮することになるのかもしれない。
(サラブレッド血統センター)

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