藤井正弘の血統トピック

マイル種牡馬決戦!ディープVSメジャー

[ 2013年11月13日 06:00 ]

 種牡馬ディープインパクトの本年度の獲得賞金は先週末時点で45億658万5000円。昨年の同時期が42億9956万2000円だったので、およそ2億円の増収となる。稼動世代が1世代増えた割には伸び幅が小さいような気もするのだが、ともあれ、残り6週で2位キングカメハメハとの4億円余りの差はセーフティーリード。2年連続リーディングの座は確定的で、焦点は50億円の大台に届くかどうかだろう。

 ちなみに、ディープインパクトは芝1600メートル戦限定リーディングでも重賞5勝を含む勝利数32、獲得賞金8億4906万9000円という“マイルチャンピオンサイヤー”である。今週のマイルCSにはダノンシャーク、ドナウブルー、トーセンラー、リアルインパクトの5歳馬カルテットに加えて3歳レッドオーヴァルがエントリー。5頭出しの大攻勢となったが、マイル部門における産駒の市場占有率を考慮すれば当然といえる。特に、春の天皇賞2着馬トーセンラーの大コンバートは、いまだ実現していない4歳上牡馬によるG1奪取への奥の手といった感じ。ノベンバーSでオープン復帰を果たした全弟スピルバーグに続き、今週は兄が豪快な追い込みを見せることになるかもしれない。

 もっとも、種牡馬単位の戦力比較なら、そろって3頭出しのダイワメジャー(カレンブラックヒル、コパノリチャード、ダイワマッジョーレ)とダンスインザダーク(クラレント、ダークシャドウ、ダノンヨーヨー)も遜色ない。ダイワメジャーは前記の芝1600メートルリーディングで21勝(重賞3勝)、5億2757万1000円の2位だが、稼動世代が1世代少ないハンディを差し引けばディープインパクトと互角で、マイルへの特化度はこちらが上ともいえる。一方、ダンスインザダークは当代随一の菊花賞サイヤー。その実績を支えているものは、京都外回りコースの立ち回りのうまさにほかならない。天皇賞・秋をアクシデントで回避したダークシャドウには災い転じて福…の可能性も見込んでおきたい。

 (サラブレッド血統センター)

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